カナダ・オンタリオ州、「食」をフックに新たな側面をアピール

  • 2011年10月18日

カナダ・オンタリオ州観光局アジア・パシフィック・メディア・コーディネーターのレイワ・アン氏(右)とオンタリオ・カリナリー・ツーリズム・アライアンス事務局長のレベッカ・ルフープ氏  カナダ・オンタリオ州観光局のアジア・パシフィック・メディア・コーディネーターのレイワ・アン氏と、オンタリオ・カリナリー・ツーリズム・アライアンス(OCTA)事務局長のレベッカ・ルフープ氏が来日し、オンタリオ州の食にフォーカスしたカリナリー・ツーリズム(フード・ツーリズム)の展望や今後のマーケティング戦略について語った。

 アン氏は「ミシュランガイドの成功でもわかるように、食に敏感で新しいものに積極的な日本市場に対しては、戦略のひとつとして食を打ち出していきたい」と、意図を説明。2010年にオンタリオ州を訪問した日本人旅行者数は前年比1%増の9万2000人以上であったが、カリナリー・ツーリズムで新しい需要を掘り起こし、旅行者数を伸ばすとともに一人あたりの消費額も増やしていきたい考えだ。

 OCTAは、オンタリオ州観光局の外郭団体で、2005年から2015年にかけてオンタリオ州のカリナリー・ツーリズムを促進する目的で設立。ルフープ氏は、オンタリオ州のカリナリー・ツーリズムを「オンタリオ州内のすべての場所で、その土地ならではの素材を用いた食を通じて文化や歴史、技術を体験する」と定義し、さままなプロダクトを用意してプロモーションしていく考えだ。

 具体的には、ナイアガラのシェラトン・フォールズホテル内に地産地消型レストランをオープンしたほか、地ビール醸造所の見学ツアーなどの活動を展開。 また、スマートフォンのアプリを活用して、「エピキュリアン・トラックス」「チョコレート・トレイル」「アップルパイ・トレイル」などの情報を提供し、FIT旅行者が自身でツアーを組み立てるセルフガイド・ツアーも提案している。

 そのほか、カリナリー・ツーリズムのキラーコンテンツとしてアイスワインをアピール。毎年1月に2週間開催されるアイスワイン・フェスティバル期間中、特別列車「アイスワイン・トレイン」の運行を計画している。2012年1月にはメディアを招聘して試験運転をし、2013年1月のツアーへの組み込みをねらう。


▽カリナリー・ツーリズム訴求のメディアイベントを開催

 両氏の来日にあわせ、カナダ・オンタリオ州観光局は観光における食の魅力を訴求することを目的に、「オンタリオ・グルメ魅力発見の旅」と題したメディアイベントを開催。各種メディアに対して、近年注目されているオーガニック食材や地産地消の活動、ファーマーズ・マーケットなどを紹介し、同州の食と観光の関連性をアピールした。

 同イベントで、オンタリオ州政府在日事務所代表のロバート・アルマー氏は、「様々な多種多様な文化があるオンタリオ州は、そこから独特な食文化が生まれている」と話し、食文化を知ることで州の魅力が強調されることをアピールした。