台湾、訪台123万人に向けて追い込み、100周年で新ブランドも
台湾観光局および台湾観光協会は9月29日、JATA博への参加にあわせてワークショプ&セミナーを開催、台湾から行政機関、旅行者、ホテルなど55団体、約130人が来日した。セミナーでは冒頭、台湾交通部観光局局長の頼瑟珍氏が挨拶。「今年の目標である訪台日本人数123万人を超えるように全力で取り組む」と意気込みを示した。
今年1月から8月までの訪台日本人数は、前年比15.9%増の約80万人。3月の東日本大震災後も前年実績を上回り、8月には11万7750人と同月単月では過去最高を記録した。頼氏は、震災被災者を台湾に招待する「台湾希望の旅」を実施するなど、日本支援を積極的に進めてきたことも紹介。「日本の復興を願うとともに、日本の観光産業の復活に期待する」と述べ、今後は日本の旅行会社と協力しながらインセンティブや修学旅行の誘致にも力を入れていくなど、日台の観光交流の更なる発展に尽力していく考えを示した。
セミナーでは日本旅行業協会(JATA)会長の金井耿氏も挨拶に立った。台湾からの震災支援に感謝を述べるとともに、「日本の観光も着実に回復している」と強調。8月の日本人海外渡航者数は前年同月実績を上回る179万2000人に達したと紹介した。そのうえで「残り3ヶ月、このままの勢いが続けば、訪台日本人123万人は達成できるだろう。台湾が海外旅行市場の成長を牽引してくれると思う」と台湾市場に期待感を示した。
▽観光局、国際光点計画で新しい魅力を発信
今年、台湾が成立から100年の「民国100周年」を迎えるにあたり、台湾観光局では新しいブランディングとなる「Taiwan The Heart of Asia」を展開。セミナーでは、そのひとつとなる「国際光点計画」が紹介された。台湾を北部、中部、南部、東部の地域、それに温泉を加えて、それぞれの観光文化素材やイベントを海外に発信し、散策や体験を通して台湾の生活文化を体感してもらうという戦略だ。
また、観光局では既存のコースに縛られない観光素材をニーズや世代にあわせて厳選し、「民国100周年」にちなんで、10テーマに分類した100大感動路線を特設サイトで紹介。観光局では商品企画のヒントとして利用して欲しいと呼びかけている。このほか、旅行会社向けにはインセンティブ誘致奨励プログラム(2012年12月出発まで)、旅行造成企画協賛サポート、チャーター機補助、特殊旅行の補助制度などさまざまな協力プログラムも提供している。
来年は「2012台日観光促進年」。2010-2011年の台日観光交流年からさらに日台間の観光交流を発展させていく。交流人口を2010年の約246万人から300万人に増やしていくのが目標だ。