年末年始、夏休み並好調も-エイビーロード調査、秋は軟調

  • 2011年10月2日

 リクルート旅行ディビジョンエイビーロードリサーチセンターセンター長の稲垣昌宏氏によると、2011/2012年の年末年始の需要が、8月単月が過去最高の出国者数となるなど好調であった今夏と同程度の水準となる可能性があるという。日本旅行業協会(JATA)が9月30日、JATA旅博2011の会場で開催したセミナーの中で説明したもの。一方、10月から11月に出発する秋のツアーは、軟調に推移する可能性があるとした。

 稲垣氏は、エイビーロードのウェブサイトにおける旅行会社への問い合わせメール件数をもとに、消費者の需要を推測。2011年12月23日から2012年1月9日までに出発するツアーへの問い合わせ件数は、7月1日から9月15日までの期間で前年比28%増となったという。これに対して、2011年4月1日から9月15日までに、今夏の7月16日から9月30日出発分のツアーに関する問い合わせのメールも28%増であったといい、今冬は好調な需要を期待できる可能性があると指摘した。

 方面別では、ビーチリゾートが77%増と大幅増。アジアも43%増と伸びており、南北アメリカも25%増となった。このほかヨーロッパは2%増、アフリカ・その他は前年並み、ハワイは6%減、オセアニアは12%減であった。オセアニアの落ち込みは、ジェットスター航空(JQ)などを利用するFITへの移行の可能性もあるという。また、出発地別では、東京発が40%増と好調で、名古屋発も24%増。大阪発のみ1%減となった。東京発のうち、羽田出発を確約するツアーは107%増という。また、東名阪以外でも福岡を中心として56%増となっている。このほか、年明けに出発するツアーの人気が高いという。

 一方、10月1日から11月30日が日程に含まれる秋のツアーについて、7月1日から9月15日までに発生した問い合わせ件数は、10%増と夏や冬と比較して伸び率が低い。稲垣氏は、「震災の反動需要が一段落した可能性がある」と指摘した。特に、9月中に出発する日程が54%増である一方、10月出発が3%増、11月出発が4%減と落ち込んでおり、11月出発の販売を今から促進していく必要がありそうだという。

 方面別では、アフリカ・その他が55%増、アジアが38%増、南北アメリカが30%増、ビーチリゾートが5%増、ヨーロッパが3%増、ハワイが27%減、オセアニアが32%減。出発地別では名古屋が55%増、大阪発が11%増で、東京は4%増。羽田発確約ツアーは167%増とこちらも2倍以上となっている。福岡などその他も90%増となった。なお、旅行期間は3、4日間が大きく伸びている。