近畿観光アドバイザリー会議、11年度の支援地域に奈良県4市村選定

 地域資源の旅行商品化を見据えた観光まちづくりを提案する近畿運輸局観光まちづくりアドバイザリー会議が今年度、奈良県の桜井市、天理市、橿原市、明日香村を重点支援地域に選定した。10月の現地視察などを踏まえて、来年3月をメドに提言書などをまとめる。

 観光まちづくりアドバイザーを地域に派遣する事業は国土交通省が2006年度から、地域観光マーケティングの促進を目的に進めていた。10年度をもって事業の全国展開は終わったが、近畿運輸局は独自に継続することを決め、管内の市町村に呼びかけていた。

 9月12日の第1回アドバイザリー会議には、奈良県の4市村が参加。桜井市と天理市は山の辺の道、橿原市は橿原神宮、明日香村は石舞台古墳など歴史的な観光資源に恵まれているが、2012年の古事記編さん1300年などを見据え「日本歴史の黎明(れいめい)の地」として4市村が一体となった広域観光に取り組む意向を持つ。

 アドバイザリー委員からは「広域で取り組むことで経済的なメリットが生じるのでは」「エリアとしての芯、枠組みを打ち立てたい」「交通事業者との連携が必要」「わかりやすいエリア名称が欲しい」といった意見が出たほか「天理教と連携したい」という具体的な施策の提案もあった。

 座長の吉兼秀夫・阪南大学国際観光学部長は「アドバイスのしがいがある地域。重点支援地域として採択したい」とまとめた。

 今後、10月中に4市村を視察し、現地の観光まちづくり観光関係者と意見交換。年度内に、旅行商品化への方向性や広域的な観光情報発信の手法について提言をまとめていく予定だ。

 なお、アドバイザリー委員は次の皆さん(敬称略)。座長=吉兼秀夫▽金丸桂三(JTBコミュニケーションズ)▽塩見正成(JTB西日本)▽関昌博(日本旅行)▽岸本考夫(KNT)▽渡部英(全旅)▽藤永大助(JATA)▽比留田高久(ANTA大阪府支部)▽橋本修男(JR西日本)▽矢尾弘(近鉄)▽神田信幸(日本観光振興協会)▽大塚俊介(近畿地方整備局)▽森宏之(近畿運輸局)。


情報提供:トラベルニュース社