鎌倉と富士山を世界遺産に推薦、13年夏の登録めざす

  • 2011年9月26日

 政府は9月22日、外務省で世界遺産条約関係省庁連絡会議を開催し、「武家の古都・鎌倉」と「富士山」を世界文化遺産に推薦することを決定した。9月末までにユネスコ世界遺産センターに暫定版の推薦書を、2012年2月に正式版推薦書をそれぞれ提出し、2013年夏に開催される第37回世界遺産委員会での登録をめざす。2012年夏から秋にかけてユネスコの諮問機関であるイコモス(国際記念物遺跡会議)による現地調査を受ける予定だ。

 「武家の古都・鎌倉」は文化庁、国土交通省の共同推薦で、鶴岡八幡宮、鎌倉大仏などの寺社仏閣、寺院や武家屋敷の跡地、港跡、切通により構成される。12世紀末の日本における、貴族支配から中世以降の武家支配への移行をもたらした鎌倉政権の発足地であり、武家文化を生み出した「証拠」としての価値をアピールする考え。また、三方を山に囲まれ、一方が海という要害の地を政権所在地とした「稀に見る政権所在地の類型」である点も世界遺産の登録基準となる「顕著な普遍的価値」としてあげた。

 一方、「富士山」は文化庁、観光省、林野庁の共同推薦とした。構成遺産は富士山域の登山道や湖、宗教遺跡、周辺の神社、池、樹型や滝など25ヶ所。景観的な美しさに加え、古来から宗教、宗派を超えて信仰の対象となっており、国内外の芸術作品のモチーフとして取り上げられ、日本文化の象徴として海外でも定着している点など、文化的な価値をアピールする考えだ。