ウィーン市、2012年はクリムト・イヤー、特別展などイベントも
ウィーン市観光局局長のノルベルト・ケットナー氏が来日し、2012年の「クリムト・イヤー」の概要を説明した。クリムト・イヤーとは、来年がオーストリアを代表する画家、グスタフ・クリムトの生誕150周年であることから、オーストリア全土で多様な芸術イベントを開催するもの。
ケットナー氏はまず、まずウィーン市の観光状況について、日本人観光客の宿泊数は震災後、減少していると説明。ただし、1月から7月の日本人渡航者数は前年比3.4%増と増加している。外国人観光客数全体でも近年で最も良い結果となり、宿泊者数、売上、稼働率も非常に高い水準で推移。「来年のクリムト・イヤーは、この好調を維持する後押しとなるものとして期待する」という。
クリムトはウィーン市を象徴する画家であり、市内の美術館に収蔵された作品数も多いが、来年は従来以上に多くの関連作品が見られる年になるという。世界的に知られる作品『接吻』など世界最大のクリムトコレクションで知られるベルヴェデーレ宮殿はもちろん、レオポルド美術館、アルベルティーナ美術館などで8つの特別展が次々と開催される。また、クリムト関連以外でもウィーン少年合唱団のコンサートホールが新しく開設され、美術史博物館の宝物殿がリニューアルオープンするなど、2012年は芸術関連施設の開設が活発になる。
ケットナー氏は、こうした美術館めぐりに「ウィーンカード」の利用をすすめた。72時間の地下鉄、バス、市電が乗り放題になり、博物館、美術館をはじめ観光名所やカフェ、レストランなどで入場料の割引やプレゼントなど210の特典が得られるという。
このほか、クリムト・イヤー関連のキャンペーンとしては、オーストリア航空(OS)と共催で、3万点のキスシーン写真を一般公募し、モザイクでクリムトの『接吻』を制作する「キスフォト アート・プロジェクト」キャンペーンを実施する。写真を投稿後、アンケートに回答した応募者から抽選で1組2名に、OSで行くウィーンの旅をプレゼントする。応募締切は2011年11月30日24時とした。