成田/カルガリー線増便に意欲、アルバータ州から観光トップ来日

  • 2011年9月8日

 アルバータ州観光公社最高経営責任者のブルース・タダシ・オカベ氏がこのほど来日し、業界誌の取材に対して日本市場の現状や成田/カルガリー線の進捗について語った。オカベ氏によると、震災の影響はあったものの、日本人訪問者数は1月から5月の累計で、カナダ全体が苦戦する中で前年比11%増と大きく増加しているところ。2010年も通年で50%増となっており、「日本市場は今でも最も重要な市場」と強調。今後も日本人旅行者の獲得に注力する考えを示した。

 アルバータ州観光公社では現在、ブランディング戦略の一環で「観る」ことから「体験する」ことを全面に打ち出そうとしているところで、10月頃には新しいブランディングを披露する計画。日本市場については、来年のカルガリー線の運航再開に合わせて放映予定のドラマをアルバータ州で撮影しており、新しいブランディングに連動してドラマ内でアクティビティを紹介したいという。

 また、滞在日数の増加に向けて、通常のツアーを数日延長してアルバータ州に滞在することをを勧めるキャンペーンもすでに展開。さらに、教育旅行についても、6月に教育省の大臣が来日した際、ESL(English as a Second Language)プログラムを盛り込んだパッケージの造成働きかけに意欲が示されたという。MICEについては、取り組みを始めたばかりであるため、MICE関係者への認知向上をめざして初めて専用の冊子を製作。2012年に100周年を迎える「カルガリー・スタンピード」のアピールにも意欲を示した。

 成田/カルガリー線については、「夏スケジュールの週3便を週5便にするのが第1段階、夏の週5便に冬の週3便を加えるのが第2段階」と目標を語り、達成に向けて関係各所と調整を進めていると説明。同路線の利用率は「極めて良い」といい、第1段階である週5便への増便の実現可能性は高いとの認識を示した。

 なお、今回の来日では、観光庁長官の溝畑宏氏や日本旅行業協会(JATA)理事長の中村達朗氏、ジェイティービー(JTB)代表取締役会長の佐々木隆氏らと会談し、日本からの誘客だけでなく、カナダからの訪日旅行者増加を含めたツーウェイツーリズムの取り組みについて意見を交わしたという。