香港、新ブランディングは「アジアの世界都市」
香港政府観光局(HKTB)は9月1日、都内でメディアブリーフィングを開催し、新たなブランディングキャンペーンである「Asia's World City」をアピールした。アジアの世界都市として香港を訴求することで、渡航者増へとつなげていきたい考え。HKTB日本・韓国地区局長の加納國雄氏によると、キャンペーンは4月から開始しているが、東日本大震災の影響が長引いたこともあり、9月から本格的に力を入れて展開していく考えだ。
同キャンペーンは、香港政府と共通の「Asia's World City」のブランドとロゴを活用。同局マーケティングエグゼクティブ・東日本の林麻里衣氏は「香港のコスモポリタンで、バラエティに富み、西洋と東洋の文化が交わり、ユニークな融合がみられる都市、ということを伝えていきたい」とコンセプトを説明した。具体的にはダイニングや、文化、観光名所、フェスティバルなどのさまざまなイベントとともにメッセージを訴求していく考え。
例えば、食については8月下旬に香港グルメガイドブックを作成。9月1日から30日では、ペニンシュラ東京で香港フード・フェスティバル」を開催する。また、旅行業界向けにパッケージツアーの販売促進キャンペーンを実施。ツアーのパンフレットにロゴを掲載すると、ツアー参加者に対し「香港公式ガイドブック」を提供する。さらに、9月には航空会社と共同でデスティネーションキャンペーンも実施する予定だという。
なお、HKTBによると、2010年の香港への日本人渡航者数は前年比9.3%増の131万6618人だった。2011年は震災の影響により、3月以降は3月が14.4%減、4月が10.9%減、5月が13.8%減、6月が11.2%減と2ケタ減が続いていたが、7月は円高や夏休みの需要増により、3.4%減の9万9405人と減少幅が縮小。加納氏も「徐々に改善してきている」との見方を示した。