JTB新紀元主催ツアーが初来日-JTB佐々木会長、参加者に日本の安心安全訴え
JTBグループの中国の旅行会社、交通公社新紀元国際旅行社(JTB新紀元)は8月25日、中国人向け海外旅行販売認可解禁第1弾ツアーとして、中国のメディアや旅行関係者69名を招き「東京・東北視察招待旅行」を実施した。8月25日に都内で開催されたジェイティービー(JTB)主催の歓迎パーティで、JTB代表取締役会長の佐々木隆氏は「今回ツアーでぜひありのままの東北地方を見て、いろいろと食べて楽しみ、それを通じて日本の安全、安心をあらためて体感してほしい」と述べ、中国帰国後に「皆様の手を通じて、中国国民に(情報を)発信いただきたい」と参加者に訴えた。
また、観光庁長官の溝畑宏氏も「観光立国を推進するためには、中国との観光拡大は極めて重要」と述べ、東日本大震災や福島原発事故の影響で日本へのインバウンドが減少するなか「東北は着実に復興しており、放射能事故の問題も収束に向かって着実なプロセスを進めている」と強調。食の安全についても国をあげて厳重な管理体制をひいているとし、「日本の現状、安心、安全を理解いただき、中国に戻ったら皆様にそのことを伝えてほしい」と呼びかけた。
佐々木氏によると、JTB新紀元では中国人個人観光客に対し、JTBだからこそできる行程や宿泊先、料理にこだわりを持った高品質な旅を提供していく方針だという。9月から個人向け旅行商品「悠逸(ヨウイ)」を販売し、10月の国慶節の需要を取り込む考えだ。また、震災の影響でインバウンドが落ち込んでいることをふまえ、まずは中国にある日本企業のアウトバウンド需要や職場旅行などの需要の掘り起こしをはかるなど、法人需要の受注拡大に注力していく考えも示した。
視察招待旅行は風評被害を受けている東北地方を中心に、5泊6日で実施。参加者は仙台や松島、今年6月に世界遺産に認定された平泉などを訪れ、3日目から3コースにわかれて花巻や鹿角、奥入瀬や十和田湖、会津などをめぐる。東京ディズニーリゾートを訪問後、30日に中国に帰国する予定だ。