日本旅行、下期の先行受注強化を促す-間際予約好調、夏商戦長期化
日本旅行は8月17日、東日本地区の販売店を対象に、下期の商品説明会を開催した。同社東日本営業本部営業部担当部長の大鷲好彦氏は夏の間際予約が好調であることに触れつつも、「店頭では間際の拡大も重要だが、国内、海外をどれだけ先取りできるかが重要」とし、販売店に先行受注の強化を訴えた。
また、チーフマネージャーの永尾邦洋氏も、間際受注の増加で夏の商戦が長引き、下期商品の先行受注が遅れていると指摘。東日本地区の海外旅行の場合、昨年であれば8月後半までで10月から12月までの受注の35%、10月前半までには85%を確保していたが、今年は動きが鈍く、とくに11月、12月の受注状況が弱含みだという。永尾氏は「下期のカタログも是非店頭に掲出してほしい」と呼びかけた。
こうしたなか、日本旅行では下期商品でヨーロッパ方面を中心に早期受注取り込みのための施策を強化。ヨーロッパでは90日前の早割りを設定し、ヨーロッパ以外の方面でも割引額を拡充した。また、催行保証人数も2名からの商品を増加し、催行しやすい商品を設定。さらに、昨年ゴールデンウィーク明けまでだった商品の設定日を、今年は5月末まで延長し、早期から消費者に案内することで囲い込みをはかる考えだ。
▽夏は間際予約が好調、チャーターもほぼ完売
日本旅行によると、7月から9月発の海外パッケージツアーの申し込み動向は、東日本大震災の影響で出だしは不調だったが、5月末から予約が本格化。販売額は右肩上がりに推移しており、7月は前年比15%減だったが、8月は5%減、9月は2%減とほぼ前年並みまで戻ってきているという。なかでもアジア方面が好調で、長距離のヨーロッパも前年まであと一歩の状況だ。永尾氏は、今年の夏は震災の影響による訪日需要の落ち込みから、日本市場向けの航空座席に余裕があるため「間際需要はまだ取れる」とした。例年ならすでに満席となっている方面でも空席があるという。
また、夏商戦で販売を強化していたヨーロッパチャーター商品については、好調な結果となった。東日本地区では、成田発ではイタリア行き12本設定したがほぼ完売。また、成田発ハワイ行きも10本設定したが、こちらもほぼ完売だった。来期も引き続き、定期便が就航していないデスティネーションへのチャーターを検討していく考えだ。