KNTが組織再編へ、東名阪の旅行事業に集中-東北と中四国は新会社に移管
近畿日本ツーリスト(KNT)は8月9日の取締役会で、2012年以降の事業構造改革の基本方針として、KNTは東京と名古屋、大阪の旅行事業に集中し、北海道、東北、中国四国、九州については、新会社を含めてそれぞれの地域旅行会社で地域密着型営業を展開することを決議した。また、商事事業についても新会社を設立して移管。さらに、KNTの旅行事業について、これまで5事業本部制としてきたが、これを団体旅行部門と個人旅行部門の2事業本部に集約し、営業力の強化と効率化を推進する。本社部門も、適正規模による効率的な機能の確立をめざすという。
KNTでは、これまでも事業構造改革として、2010年1月に北海道と九州の団体旅行事業を「近畿日本ツーリスト北海道(KNT北海道)」と「近畿日本ツーリスト九州(KNT九州)」に移管。また、2011年1月にはKNTの個人旅行における商品企画部門とWEB販売部門を統合した「個人旅行事業本部カンパニー」を新設し、個人旅行全体のマーケティング機能の強化とWEB販売の拡大を進めてきた。
今回発表した2012年以降の組織再編では、9月1日付で「近畿日本ツーリスト東北(KNT東北)」と「近畿日本ツーリスト中国四国(KNT中国四国)」、「近畿日本ツーリスト商事(KNT商事)」を設立。その後2012年1月1日付で、KNT東北とKNT中国四国にはそれぞれの地域の旅行事業を、KNT北海道とKNT九州にはそれぞれ個人旅行事業を移管。また、それぞれの地域におけるKNTツーリストの店頭販売事業も移す。KNT商事にはKNTの商事事業を移管する。
一方、KNT内の組織再編では、3事業本部に分かれている団体旅行事業本部を1つに統合。情報やノウハウを共有し、営業力の強化をはかる。また、首都圏を中心に法人、団体への提案型営業の拡大や教育旅行などの需要の掘り起こしを進め、安定的に利益を生み出せる体制を築く。さらに、個人旅行事業部門に提携販売部門を統合。WEB販売の拡大に最重要課題として取り組むとともに、先ごろ稼働した新販売基幹システムを活用して効率化の追求と利益の拡大をはかる。
なお、これらの組織再編を実施した後の中期経営計画の財務目標については、震災の影響も考慮した上で見直し、確定し次第発表する。