ロンドン五輪まで1年、観光客400万人増の足がかりに-キャンペーンも開始

  • 2011年7月28日
(左から)土田和歌子選手、石川佳純選手

 駐日英国大使館は7月27日、同日が2012年のロンドン・オリンピック&パラリンピック開幕のちょうど1年前であったことから、記念イベントを開催した。英国政府観光庁などでは、今回のオリンピック開催で約40億人がテレビで観戦すると予想し、デスティネーションとしての注目度が向上すると期待。今後4年間で観光客数を400万人増やす目標を立てており、すでにキャンペーンも開始しているところだ。

 駐日英国臨時代理大使のデーヴィット・フィトン氏はイベントの冒頭、「(夏季大会の)準備は順調かつ確実に進んでいる」とアピール。バスケットボールや水泳、自転車などの競技場はすでに完成し、メイン会場の工事も9割を終えているという。また、2012年ロンドン大会の開催計画についても説明し、特に「サステナビリティ」に重点を置いていると強調。炭素排出量の大幅削減、高いエネルギー効率、気候変動による影響を考慮した関連施設の建設など、グリーンで環境に優しい夏季大会をめざしているという。

 大会中は、ウィンブルドンやウェンブリー、ミレニアム・スタジアムなどの有名な競技場だけでなく、イギリスならではの景観や建築物の中でも競技がおこなわれる予定。さらに、コヴェントリーやマンチェスター、スコットランドのグラスゴー、ウェールズのカーディフなどでも一部競技の開催を予定しており、こうした都市の認知向上にも期待がかかる。

 このほど英国政府観光庁が開始した「イギリスへの招待状」キャンペーンでは、俳優やモデル、人気シェフなどが世界に向けて自国の魅力を映像でアピール。欧米や中国、インドではテレビでも放映し、日本などでは同庁やYouTubeなどのウェブサイトで映像を配信。今後は、イギリスの旅行業界や一般市民による「招待状」も展開する予定だ。

 なお、記念イベントではこのほか、日本オリンピック委員会理事の塚原光男氏と日本パラリンピック委員会事務局長の中森邦男氏による特別講演や、卓球の石川佳純選手と車いすアスリートの土田和歌子選手のトーク・セッションも実施した。石川選手は「ロンドン大会まで後悔がないように努力して一所懸命頑張ります」と意気込み、土田選手は「ロンドン大会の魅力を知ってほしいので、是非観戦して迫力を感じてほしいです」とメッセージを残した。