新部会長に多田さん(和倉・美湾荘) 全旅連シルバースター部会

 全旅連シルバースター部会(893軒)は6月29日、東京・平河町の都道府県会館で2011年度総会を開き、役員改選で2期4年務めた野澤幸司部会長(新潟県湯田上温泉・ホテル小柳)が退任し、新部会長に多田計介副部会長(石川県和倉温泉・ゆけむりの宿美湾荘)が昇格した。

 退任する野澤・前部会長は、在任中に旅館業界が対応を迫られたノロウイルス予防対策や新型インフルエンザ対策などで、安全管理のためのマニュアル本にまとめるなど、衛生管理や危機管理の分野で全旅連をけん引。さらに、楽天トラベルとの提携に踏み切り、シルバースターの宿だからこそ売れる宿泊プランの方向性に道筋をつけるなど、管理、販売の両面で組織の活性化を図った。

 退任のあいさつでは「いろんな意味でシルバースター部会は全旅連のお試しセットの役割を果たせたと思う」と、4年間の活動を振り返った。

 また、多田・新部会長は「部会メンバーはピークだった1千会員から減少傾向にあります。再び1千軒に回復することを第一に活動したい」と抱負を述べ、来賓の佐藤信幸・全旅連会長(山形県かみのやま温泉・日本の宿古窯)は、高齢者向け宿泊プランの開発に期待を示した。

 シルバースター部会では11年度も引き続き、(1)集客事業(2)部会員拡大事業(3)旅館ホテルの品質管理および向上のための事業-などに取り組む。

 総会では、09年6月から楽天トラベルのウェブサイトで展開している「全旅連認定の人に優しい宿」のコーナーを通じた予約実績と傾向について、楽天トラベル担当者が説明した。

 それによると、今年5月末現在でシルバースターの宿893軒すべてが参画しており、予約は前年比で13.2%増と2桁の伸びとなっている。

 一方で、「赤ちゃん」「3世代」「バリアフリー」などのキーワードを付けた掲載プランは264プランにとどまり、10年1月末の242プランと比較しても、ほとんど増えていない。

 集客にはキーワードプランが重要とされ、宿泊額に占めるシェアを見ても、「赤ちゃん」が付いたものが53%、「3世代」が22%と群を抜いている。楽天トラベルの担当者は、これらキーワードの付いたプランをつくり掲載することが予約を獲得する決め手だと解説している。

情報提供:トラベルニュース社