アクセスランキング、1位は上半期倒産件数 -「旅行で応援」の実現に向けて
今週は、東京商工リサーチ(TSR)による上半期の旅行業・宿泊業倒産件数の記事が1位になりました。3月11日の震災からあっという間に4ヶ月が経過してしまいましたが、特に宿泊業では影響が尾を引いているようです。海外旅行関連の情報を中心に取材をしていますと、海外旅行は燃油サーチャージが大きな重しになっているのに対して、国内旅行は被災地応援ムードなど追い風が吹いているような印象を受けがちでしたが、実際には依然として苦しい状況が続いているようです。
国内旅行では、市場環境が悪くても人気のあるところには人が集まる傾向があるように思いますが、今はさらに“行けるところ”というフィルターも加わっています。原発事故の影響で東京ディズニーリゾートへの旅行も完全には戻ってきていないといいますし、東北はなおさらでしょう。
消費者の“行ける”か“行けない”かの判断は、テレビやラジオ、新聞などのメディアで得られる情報に多分に依存します。しかし、ゴールデンウィークに東北を訪れた際にも書きましたが、こうしたメディアを通して得た情報は、往々にして“行けない”方の印象を強くしがちです。同じ県でもここは難しいがこちらは大丈夫、といった情報を正確に得る機会が極めて限られているのです。
ここで旅行会社が、できる限り生の情報を細かくお客様にお伝えできれば、ニーズにあった情報流通のあり方を提供できるのではないかと思います。一つの方法としては、着地型観光と同じ発想で、地場の旅行会社がその土地の情報を発信することが考えられます。SNSなど気軽に情報を発信する手段が増えていますので、おそらくすでに始められている方もいらっしゃるでしょう。ですから、その情報にいかに気づいてもらうかが課題になります。この点については、トラベルビジョンとして情報を集積する役割を果たせるのではないかと検討しているところです。
また、地場でなくとも直接行って見聞きしてくることも方法の一つです。言うまでもなく、自ら体験した人の言葉は重みが違います。ありとあらゆる情報がインターネットで流通する時代ですから、逆にインターネットに載せられないものは大きな武器になります。顔も知らない人が入力した文字と、目の前にいる人が身振り手振りを交えて伝えようとする言葉と、どちらの方が説得力があるでしょうか。「旅行で東北を応援しよう!」という意識が喚起されている今、ぜひとも率先して実践していただきたいと思います。
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年7月第3週:7月9日0時~7月15日18時)
第1位
◆上半期の旅行業倒産26件、宿泊業は87件-震災で増加-6月の旅行業倒産は7件(11/07/10)
第2位
◆訪日旅行回復へ、「嵐」がメッセージフィルムで日本の魅力アピール(11/07/12)
第3位
◆ハワイアン航空、羽田/ホノルル線を大型化、年間1.1万席増へ(11/07/09)
◆ハワイアン航空、関空線初便の搭乗率は70%台、夏の需要は大幅に回復(11/07/13)
第4位
◆タイ国際航空、関空/バンコク線増便、週17便に(11/07/09)
第5位
◆トップインタビュー:シンガポール航空日本支社長のデイヴィッド・リム氏(11/07/11)
第6位
◆楽天トラベル、レジャー回復傾向に-夏は前年比2割増を予想(11/07/12)
第7位
◆デルタ航空、成田/パラオ線を一時運休-9月末から約3ヶ月、1月以降の商品造成を(11/07/13)
第8位
◆チャイナエアライン、関空/NY線は認知向上で利用増へ、新内装も武器に(11/07/15)
第9位
◆深セン航空、スターアライアンスに加盟へ、12年末までに作業完了(11/07/09)
第10位
◆エティハド航空、四川省成都に就航へ-12月15日から週4便(11/07/10)