KNT中部観光産業推進協議会、中部・東北への送客訴え-観光誘致会議開催
KNT中部観光産業推進協議会は7月14日、近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟(近旅連)東北連合会と連携のもと「中部・東北観光誘致会議 in 東京」を開催した。合わせて開催した懇親会で、近畿日本ツーリスト(KNT)代表取締役社長の吉川勝久氏は、東日本大震災や原発事故の影響による旅行自粛の傾向がゴールデンウィーク前から「『旅で日本を元気に!』のムードに変わってきた」と振り返り、「旅行需要に関して非常に世間から関心をもたれている。原発事故や計画節電などによる、日本の経済、国民生活などの大きな転換が起こっていると感じる」と述べた。こうしたなか、「発地のニーズは旅行会社が、移動、着地のニーズは(運輸、輸送会社、旅館、観光施設など)パートナーの皆様一緒に(考え)、ニーズを融合して商品の造成・訴求をしていかなければならない」と考えを示した。
誘致会議では中部地方7県と近旅連東北連合会がプレゼンテーションを実施したほか、KNT中部営業本部本部長で同協議会名誉会長の前田公廣氏が震災以降の動向を説明。同氏によると、3月の震災以降、風評や旅行自粛の影響により需要が低迷しており、1月から5月までは東海が人数ベースで11.9%減、北陸が24%減と苦戦。学生団体は震災の影響による旅行先変更で10.6%増となったが、個人旅行や一般団体は伸び悩んだ。一方、夏は個人、団体とも前年の9割程度まで戻りつつあるという。同氏は「夏が本番を迎えるにあたり、個人旅行、一般団体の送客を是非お願いしたい」と呼びかけた。
▽近旅連東北連合会、送客の協力訴え-会議の誘致も
今回の誘致会議は震災の影響が大きい東北地方に協力するため、近旅連東北連合会と連携して実施。同連合会会長で福島支部支部長の渡邊和裕氏は、平泉の世界文化遺産認定や、2012年からJRが岩手デスティネーションキャンペーン(DC)、2013年に仙台・宮城DC、秋田DCを実施することなどに期待を示し、「皆様にご協力いただきながら、東北復興を確実に進めていきたい。送客にご協力を」と呼びかけた。
また、旅行業界をはじめとした様々な業界や国から、東北で会議を開催しようという動きが出てきているとし、旅行会社に対し「会議を東北につれてきてほしい。それが活性化に繋がる」と、ミーティングやコンベンションの誘致を訴えた。
さらに渡邊氏は、ボランティアツアーの一環として、福島で放射能除去に効果があるとされるひまわりの種をまく着地型ツアーなども検討していると紹介。また、岩手支部長の菊地善雄氏も「震災3ヶ月後になってから、被災地視察について問いあわせをいただいている」とし、「被災地を見てほしい。これからの日本の防災計画のためにもいいのでは」と述べた。被災者側からも「迷惑をかけないのであれば是非来てほしい」との意見もあがっているという。