楽天トラベル、レジャー回復傾向に-夏は前年比2割増を予想
楽天トラベルは7月11日、「楽天トラベルサマーフォーラム2011」を開催した。あわせて開かれた記者懇親会で、楽天トラベル代表取締役社長の岡武公士氏は、夏の予約状況について「レジャーが戻ってきている」と述べ、「前年並み程度の伸び(前年比2割増)になる」と予想を示した。
岡武氏によるとゴールデンウィーク(GW)以降は2桁増で推移。海外旅行も好調で、海外ダイナミックパッケージの予約は126%増と大幅な伸びをみせているほか、海外パッケージについても好調だという。また、今までは月曜日に予約し、水曜、木曜に宿泊するビジネス需要が多かったが、7月以降、日曜日の予約が活発化しており、家族のレジャー需要が増加しているとの考え。こうした状況から、「ビジネス需要は戻りきっていないが、レジャー需要がビジネス需要をカバーして動いている」と分析した。
さらに、企業の夏期休暇時期の決定が遅いことや、節電対策による休暇の分散化により、予約が間際化するとともに、スケジュールを調整しにくくなることなどから「団体で行動してきた層が(個人の)ウェブ予約で旅行に行こうとしている」と推察。消費者が個人旅行を計画し、ウェブサイトで予約する流れへとシフトしていることも、レジャー需要の増加につながっているとの考えだ。
▽スマートフォン利用の予約が増加、下期はキャンペーンを強化
岡武氏は、サマーフォーラム内で開かれた戦略共有会で、2011年度の戦略としてかかげたチャネル戦略、メディア戦略、総合化戦略について、上期の状況を振り返った。チャネル戦略として実施してきたモバイルへの対策については、スマートフォンへの対応を強化。同氏によると、流通全体で15%から20%を占めてきたモバイルのなかでも、1年前は5%程度だったスマートフォンのシェアが30%までに拡大している。6月単月でも、スマートフォンの予約は431%増と大きく伸びた。楽天トラベルでは6月にJAL楽パックのモバイル版、スマートフォン対応を実施しており、7月にはiPadアプリやANA楽パックのスマートフォン対応も実施する予定だという。
また、メディア戦略として実施してきたソーシャルメディア対策の強化については、楽天サービス利用者以外からの集客を強化しており、ユーザー参加型の企画を実施。6月29日現在、ツイッターのフォロワー数は6万2931人、フェイスブックのファン数は2万3640人で右肩上がりに増加しており、今後も引き続き人数拡大に向けて注力していく考えだ。
総合化戦略の一つである足回りサービスについては堅調に推移。1月から5月までの実績によると、ANA楽パック、JAL楽パックが50.5%増、レンタカーが30.0%増、高速ツアーバスは12.6%増となっており、レジャーの伸びに大きく貢献したという。
また、下期について、インターネットで旅行需要拡大に向け、各種特集やキャンペーンを強化していく考えを示した。楽天市場で買物をした消費者のうち4割以上が旅行を予約していることから、楽天市場と協力し、今までと同様共同でプロモーションを展開していくという。
※訂正案内(7月12日19時02分)
訂正箇所:第2段落目 第2文
誤:海外旅行も好調で、海外ホテルは146%増と大幅な伸びをみせているほか、
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正:海外旅行も好調で、海外ダイナミックパッケージの予約は126%増と大幅な伸びをみせているほか、