ニューヨーク、多様な商品造成の可能性提案-震災も日本の重要性変わらず
ニューヨーク市観光局は先ごろ、3回目となる旅行業界向けセミナーおよびワークショップを開催した。2011年の日本人渡航者数について、同局ツーリズム&コンベンション・ディベロップメント シニア・ヴァイス・プレジデントのフレッド・ディクソン氏は、本誌の取材に対し「東日本大震災による減少幅は大きかったが、ゴールデンウィークを機に持ち直しつつある。2011年を総合的に見れば、大きな減少には繋がらないと信じている」と話した。また、2001年のアメリカ同時多発テロ事件に触れ「ニューヨークも10年前に日本と同じ苦境に立たされた。同じ苦しみを味わった者として、これから多大な支援が必要になると考えている。ニューヨークにとって、日本市場の重要性は震災前と変わらない。これからも、最大限の支援を約束する」と、日本の旅行会社に向けて語った。
同局によると、2010年にニューヨークを訪れた日本人渡航者数は29万5000人で、過去5年間で最多。なかでも、初めてニューヨークを訪れる旅行者や女性の渡航が目立ったという。その要因としてディクソン氏は、円高や航空路線の充実のほか、「日本の旅行会社がバリエーション豊かな旅行商品を造成していること」、「2010年4月に開設されたNYC日本エージェントの活動が成果を上げ始めていること」を挙げた。とりわけ女性の渡航者が増えた理由として、女性に人気のドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」の影響が大きく、ドラマに刺激を受けたパワフルな女性を中心に、母娘旅行が増えていると話した。
最新情報を提供した同局ツーリズム・ディベロップメント ヴァイス・プレジデントのマキコ・マツダ・ヒーリー氏は、ニューヨークの魅力を「様々なニーズに応えられる多様性」と位置づけた。文化、ファッション、買い物、食事など様々な観光素材があり、宿泊施設の選択肢も多い。「若者から女性、シニア、富裕層まで予算やニーズに応じて様々な商品を造成してほしい」と呼びかけた。また、感謝祭のパレードやレストラン・ウィークなどのイベントも紹介し「イベントに合わせてツアーを組むこともできる」と提案した。
なお、当日は9社のサプライヤーが参集し、現在来日公演を行っているメトロポリタン・オペラ総裁のピーター・ゲルブ氏も特別出演した。