南アフリカ観光局、多様な商品造成を提案-安全性やホスピタリティーも強調
南アフリカ観光局は6月10日、新ブランド戦略に関するセミナーを開催した。来日した同局リージョナルマネージャー・アジアパシフィックのブラッドリー・ブラウワー氏は、「定番の観光ルートにもテーブルマウンテンやワイナリーなどの新しい要素を加えることが可能」 と述べ、ワールドカップ後の集客に向けた多様な商品造成を呼びかけた。また、同局トレードリレーションシップ・マネージャーの近藤由佳氏は、2011年度の「Leave Ordinary Behind(非日常の感動と体験の連続)」 をスローガンとするブランドについて説明。大自然や野性動物との出会いに加え、南アフリカを訪れた旅行者から人の温かさに感激する声が多いことを挙げ、親切な人柄やホスピタリティーをアピールする。
ターゲットは旅慣れた客層に絞り、都会的で刺激を求める25歳から40歳の「ワンダーラスター」層と、少人数でのラグジュアリーな旅を求める40代から60代以上の「NSSA(Next Stop South Africa)」層を設定。ワンダーラスターに対しては冒険や人々の感情面の魅力を、特に安全性を重視して旅先を決める傾向があるNSSAに対しては、安全面をアピール。近藤氏は、安心・安全面について、南アフリカの印象を旅行者に尋ねたアンケートで、訪問後は訪問前に比べて31%評価が向上していると説明。観光局の本国キャンペーンサイトを中心に、日本語のTwitterやFacebookも活用して情報を発信していく。
また、近藤氏は、「観光局と旅行会社の同じ目的意識、情報の共有が大切」と強調。近隣国との周遊商品に加え、南アフリカ1ヶ国の商品を用意し、消費者の選択肢を増やすことも提案した。
会場ではブルートレインのセミナーも開催され、来日したアクティング・エグゼクティブ・マネージャーのハンリー・コッツェ氏が登壇した。プレトリアとケープタウンを27時間で結ぶ寝台列車ブルートレインの客室は、デラックススイートと、さらに広いラグジュアリースイートの2クラス。料金には食事や南アフリカ産ワイン、途中のキンバリーでの観光などすべてが含まれる。22人収容可能な会議用車両を備えるほか、チャーターにも対応。定期便のほか、ケープタウンからガーデンルートのジョージを結ぶルートも年に一回運行する。