キャセイ、香港発訪日客回復に向け大型キャンペーン-日本発は堅調

  • 2011年6月14日
CX日本支社長のサイモン・ラージ氏

 キャセイパシフィック航空(CX)は6月13日、東日本大震災の影響で落ち込んでいる香港からの訪日旅行の需要喚起をめざし、「WE LOVE JAPAN」キャンペーンを開始した。これは、日本に在住している人を対象に、香港在住の友人や知人、同僚、親戚などを日本に招待できる無料往復航空券を500枚提供するもの。香港発の訪日旅行者数は3月に61.2%減、4月に87.6%減と大幅に落ち込んでいる。

 CX日本支社長のサイモン・ラージ氏は同日の記者発表会で、「CXは、日本との間に長期にわたって緊密な関係を築いてきており、日本に対して強い絆の気持ちを抱いている」とし、今回のキャンペーンもCXとして日本の復興に貢献するものと強調。今後も様々な取り組みによって、「旅行業、観光業全体の底上げをしていこうと考えている」とした。

 キャンペーンでは、特設ウェブページに専用応募フォームを用意し、広告やソーシャルメディアなどを通じて応募を呼びかける。応募フォームでは、日本に招待したい人とその理由などの必要事項の記入を求める。6月30日が締切で、7月11日までに当選者にEメールで案内する。500枚の無料航空券は8月31日まで、CXと香港ドラゴン航空(KA)が運航する香港/日本間のフライトを利用可能。日本国内の滞在日数は2日から7日まで。

(左から)香港政府観光局(HKTB)日本・韓国地区局長の加納國雄氏、CXラージ氏、観光庁審議官の山田尚義氏、香港特別行政区政府駐東京経済貿易代表部首席代表のジェニー・チョック氏

 香港からの招待客には、最大3名まで利用可能な同伴者向けの特別割引運賃と、日本各地のホテルでの特別宿泊料金も提供する。一方、日本人の応募者にも、抽選で50名に日本発着の無料往復航空券を用意している。

 このほか、Facebookの日本支社公式ファンページ内に、7月から「WE LOVE JAPAN」キャンペーンのコーナーを設置。当選者に、日本各地で過ごした際の様々な体験や思い出を写真やテキストなどで投稿してもらうよう呼びかける。また、おすすめの訪問地やイベント、観光地、お土産などの情報の投稿も受け付ける。こうした取り組みにより、日本が通常通り観光が可能とアピールしていきたい考えだ。

 なお、ラージ氏によると、日本発の需要は訪日需要に比較して戻りが早く、特にゴールデンウィークは「かなり良かった」という。特に業務渡航需要が堅調で、売上ベースではほぼ前年並みとなっている。一方、夏以降に関しては燃油サーチャージによる影響に懸念を示し、需要喚起策も検討したいと語った。