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アリタリア、成田/ローマ増便へ
「日本市場のポテンシャルを確信」

  • 2011年6月8日
AZ営業兼顧客サービス担当上級副社長のマルコ・サンサヴィーニ氏

 アリタリア-イタリア航空(AZ)は7月以降、成田/ローマ線を増便する計画だ。現在は週7便を運航しているが、7月と8月は8便、9月には9便とする。成田/ミラノ線、大阪/ローマ線の便数は維持するため、9月時点のAZの日本/イタリア線は週18便となる。AZ営業兼顧客サービス担当上級副社長のマルコ・サンサヴィーニ氏は6月7日の記者会見とレセプションの場で、「日本はアメリカに次いで2番目に大きな海外市場であり、非常に重要」と強調。その上で、「AZは日本市場がさらに大きなポテンシャルを持っていると確信している」とし、積極的に展開して需要を取り込んでいく考えを示した。

 東日本大震災の影響についてサンサヴィーニ氏は、「4月に最も影響が出た」としつつ、日本線の旅客数は前年比10%程度の減少に留まったと説明。5月はゴールデンウィークがほぼ前年並みとなり、合計では6%減に回復。さらに6月は前年並みの見通しで、7月以降回復に転じる予想だ。

 日本/イタリア間では、日本航空(JL)が撤退したことで座席供給量が減少し、AZにとって増便が可能になったとも考えられるが、サンサヴィーニ氏は「そもそも昨年の夏にも一度増便しており、今夏も、JLが飛び続けていたとしても供給量を増やしていた」と説明。

 また、オフラインの欧州系航空会社が日本へのチャーターを設定するケースも目立つが、「AZは、日本で最も人気のあるデスティネーションの一つであるイタリア国内で、25の都市に接続可能」と強みを説明。さらに「我々は真のイタリア企業であり、(機内食やサービスなどにより)お客様はお乗りになった瞬間からイタリアを感じられる。これはAZしか提供できない価値」と強調した。

 なお、AZでは長距離路線用であるエアバスA330型機にプレミアムエコノミークラス「クラシカ・プラス」を導入しているところ。現在の日本路線には座席数の多いボーイングB777型機を投入しているため利用できないが、「2011年末頃から徐々にB777にもプレミアムエコノミーを設定する」予定だ。また、ビジネスクラスも2012年中にフルフラットシートに変更する計画という。


▽支援物資輸送も

贈呈式の様子

 AZは、東日本大震災への支援活動として、「ガローファロ」社のパスタ10トンと衣類3500着を運ぶ。パスタ10トンは岩手県の被災者に届ける予定で、6月6日のレセプションでは贈呈式もおこなった。また、イタリア政府観光局(ENIT)などによる、福島の原発事故の被害にあった母子を対象に最長3ヶ月のイタリア無料滞在を提供するプロジェクト「Italian Friends for Japan(日本のためのイタリアの友達)」にも協力。すでに多くの申し込みを得ているといい、6月中には現地に出発し始める予定という。

 なお、駐日イタリア大使のヴィンチェンツォ・ペトローネ氏はレセプションの冒頭、「AZは震災以降、一度も欠航せずに路線を維持してくれている」と紹介し、これによって2国間交流が支えられていると挨拶した。