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航空業界の11年純利益見通し、下方修正
-IATA、震災などで8割減予想

  • 2011年6月6日

 国際航空運送協会(IATA)は6月6日、2011年の航空業界全体の純利益について、見通しを前年比78%減の40億米ドルに下方修正した。2010年の実績は180億米ドルで、2011年3月時点では86億米ドルを見込んでいたが、燃油価格の高騰、東日本大震災、中東・北アフリカでの政情不安などによる影響が当初予想を上回った。

 IATAでは、燃油価格は1バレルあたり110米ドルまで上がると予測しており、前回予想の96米ドルから15%の上昇。1米ドル値上がりするたびに、航空業界は全体で16億米ドルのコスト増に直面するという。ただし、2008年の燃油価格高騰と比較すると、原油供給が確保されていること、投機マネー流入がないことの2点において当時とは事情が異なるとも指摘している。

 需要面では、国際貿易や企業収益は増加していることから、引き続き好調に推移するとしつつ、前年からの伸び率は下方修正。旅客需要は3月予想から1.2ポイント減の4.4%増とした。

 なお、アジア太平洋地域の航空会社に限定すると、東日本大震災や燃油価格高騰の影響は出るものの、中国とインドの急成長に支えられ、21億米ドルの純利益を達成する見込み。当初予想は100億米ドル。需要は6.4%増、供給は5.9%増となる予測だ。