フランス、11年は「感動」テーマ−新たなキャンペーンを開始

  • 2011年5月20日
 フランス観光開発機構(ATF)は2011年、「感動大国、フランス」をテーマとした新たなキャンペーンを実施し、日本市場の拡大をはかる。ATF在日代表のフレデリック・メイエール氏は「一人ひとりが思い出深い体験ができるフランスをプロモーションしていきたい」と意欲を述べた。

 同氏によると、2010年の日本人の宿泊延べ日数は前年比3.3%増となり、外国人宿泊延べ日数の約5.5%を占めた。2011年も、パリの1月、2月計の宿泊延べ日数を見ると、15%増と好調だったという。東日本大震災の影響で3月は落ち込んだが、メイエール氏は「フランスにとって日本は重要な市場」と述べ、引き続きプロモーション活動に予算を投入していく姿勢を示した。

 2011年はアクティブシニア層、女性に加え、平均以上の収入があり、情報通で、旅行への意欲が高く自分なりのライフスタイルにこだわる「グローバル・ヴィレッジ」に対し、特にプロモーションを展開していく方針だ。また、東京や関東地方に注力しながらも、関西や主要地方都市にもアプローチをしていく。さらにリピーターの増加や、パリや一部の有名な観光地だけではなく、各地方への誘客もはかる。

 旅行業界に対しては、10月に実施予定のワークショップ「SAKIDORI FRANCE」やセミナーの開催を通じ、フランスの商品造成や販売のサポートを実施していく。また、今年の夏以降に、インターネット上で旅行会社向けの教育プログラムを実施する計画だ。フランスで実施している教育プログラムを日本用にし、フランスの基本情報や各地方の情報などを提供。テストを実施し、合格者に対し資格を認定することも検討しているという。

 また、今後は日本政府観光局(JNTO)や日本旅行業協会(JATA)と連携し、震災の影響で落ち込んだインバウンド、アウトバウンド双方の回復をめざす。ATFでは地方観光局などの加盟団体に対し、定期的にレポートを発出しているが、震災後、レポートに観光庁長官の溝畑宏氏、JNTO理事長の間宮忠敏氏による、訪日を訴えるメッセージを掲載。また、JATAが展開するVWCの「夏旅キャンペーン」にも協賛し、5月30日から駅貼りポスターを掲出するほか、今回の新キャンペーンでもJATAと共同広告を実施するという。

 新キャンペーンでは5月19日に特設サイトを開設し、フランスで可能な「感動体験」や、キャンペーンパートナーであるエイチ・アイ・エス(HIS)を初めとした旅行会社のプランも掲載。フランス旅行が当たるクイズキャンペーンも実施し、2011年度は60万ページビューをめざす。また、6月1日からはJR山手線や東京メトロなどの私鉄を含む4社14路線で列車内広告を実施し、6000枚以上のポスターを掲出。新宿駅西口でも柱巻きのポスターを62面展開する。さらに、ノルマンディー地方やミディ・ピレネー地方、ローヌ・アルプ地方などキャンペーンに参加している地方へのプレストリップも実施する予定だ。


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