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4月の訪日外客30万人割れ−単月でSARS以来、日本人出国者数は9%減

  • 2011年5月20日
 日本政府観光局(JNTO)によると、4月の訪日外客数の推計値は、前年比62.5%減の29万5800人となった。減少幅は地震発生後の3月12日から3月末日までの73%減より小さいが、3月単月の50.3%減を上回り、月次ベースでは過去50年で最大。単月の訪日外客数が30万人を割ったのは、SARSの影響を受けた2003年5月(28万8562人)ぶりで、4月単月では10年前(1991年の30万8949人)の水準を下回った。

 JNTOの分析では、東日本大震災による訪日旅行の回避や自粛傾向により、販売の低調が続き、日本への航空便の一部も縮小。4月は世界的に「日本への桜鑑賞旅行」が人気だが、今年は需要を取り込めなかった。また、中国から九州のクルーズも4月分がすべてキャンセルになったほか、すべての訪日教育旅行も延期または中止となった。

 国・地域別でみると、韓国が66.4%減の6万3700人と大きく減少。同国では4月に、人体に害のないレベルの放射性物質が飛来し、一般市民の間で恐怖心が拡大して、外出や旅行を控える減少が起きたという。また、日本/韓国間の空路は週間で約80便以上が運休となったほか、海路でも運休便が発生している。また、台湾も87.6%減の5800人と大幅に落ち込んだ。台湾では3月15日に、今年8月までの訪日教育旅行の取り消しを求める通達が出された。ただし、震災後、各国・地域政府が発出した渡航の自粛や延期、日本からの出国を求める勧告は、一部を取り消したり、緩和する措置が取られている。

 一方、日本人出国者数は9%減の110万4000人。過去の1991年の湾岸戦争や2001年の9.11、2003年のSARS、2009年の世界金融危機などの影響が最も強く表れた月と比較すると、減少幅は大きくないという。1月からの累計では、3.4%減の515万人。


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