東北海外旅行が特別清算へ−震災影響で廃業決定

  • 2011年5月18日
 東京商工リサーチ(TSR)によると、宮城県仙台市の第1種旅行業者、東北海外旅行が旅行業を廃業し解散した。5月12日に開催した臨時株主総会で解散を決議し、これから仙台地方裁判所へ特別清算の手続きに入る。負債総額は約9000万円。従業員13名は4月30日付けで全員解雇となっていた。

 同社は、1971年1月4日に河北新報社などの地元有力企業の出資で設立され、地元資本として東北を代表する旅行会社だった。特に、中国への送客で高いシェアを持っており、ピーク時の1997年には3月期には年商20億円を計上していた。その後、海外旅行が振るわず減収基調となり、2010年3月期の売上高は6億9700万円と落ち込み赤字が続いていた。そうした中で3月11日に東日本大震災が発生。予約のキャンセルが相次いだほか、震災の影響で仙台空港が使用できないといった状況が重なり、解散を決めた。


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