震災関連倒産、ホテル、旅館は最多の12社に−消費の自粛響き
帝国データバンクによる「東日本大震災関連倒産」の動向調査によると、東日本大震災の影響による倒産件数は5月11日時点で87社が判明しており、このうち、ホテル、旅館は全体の26.4%にあたる12社で、業種別でもっとも多い結果となった。消費自粛傾向や、福島第一原子力発電所事故による放射能の問題などをうけ、国内外の観光客の予約キャンセルが相次ぎ先行きの見通しが立たなくなるなど、間接的な影響で倒産に追い込まれたケースが大半だという。また、旅行については2社(2.3%)となった。
同社によると、現時点ではホテル、旅館に加え旅行、外食、広告・イベントなど消費自粛のあおりを受けやすい業種の倒産が目立っている。夏の電力不足や放射能汚染の懸念などで先行きの不透明感が増す中、消費自粛傾向はしばらく続く可能性が高いことから、今後もこうした業種の震災による倒産が増えるとの見通しだ。なかでも、ゴールデンウィーク期間の業績が思わしくなかった観光やレジャー業者の倒産が懸念されるという。
倒産のパターン別でみても、会社建物や工場設備などの被害による「直接被害型」倒産は12社(13.8%)にとどまった一方、直接の被害は受けなかったが、消費自粛や自社の得意先や仕入先が被災した影響などによる「間接被害型」倒産は75社(86.2%)。間接被害型のなかでも、消費自粛のあおりによる倒産は24社(27.6%)、得意先の被害などによる売り上げ減少による倒産が23社(26.4%)となった。
主な倒産例をみると、栃木県日光市の伴久ホテルが営業自粛を余儀なくされ、以後の回復も見込めないことから4月25日に負債総額29億5500万円で倒産したほか、石川県七尾市の合同会社銀水閣も消費自粛ムードの影響による予約客の減少により、同日負債総額25億円で倒産している。4月28日には福島県福島市の観山荘が震災による建物への大型損傷の影響により、負債総額14億円で倒産した。
また、地域別では全国規模で倒産が発生しており、東京都と福島県の9社(10.3%)が最も多く、次いで北海道の8社(9.2%)、宮城県の7社(8.0%)となった。
同社によると、現在1日あたり1.4社のペースで倒産が発生しており、1995年の阪神淡路大震災と比較すると、約2.3倍のペースで増加。このままのペースで進めば震災から2ヶ月あまりで倒産件数は100社を超える予想だという。なお、負債総額は5月11日時点で527億8600万円にのぼり、倒産企業の従業員数は1619人となった。
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主な倒産例をみると、栃木県日光市の伴久ホテルが営業自粛を余儀なくされ、以後の回復も見込めないことから4月25日に負債総額29億5500万円で倒産したほか、石川県七尾市の合同会社銀水閣も消費自粛ムードの影響による予約客の減少により、同日負債総額25億円で倒産している。4月28日には福島県福島市の観山荘が震災による建物への大型損傷の影響により、負債総額14億円で倒産した。
また、地域別では全国規模で倒産が発生しており、東京都と福島県の9社(10.3%)が最も多く、次いで北海道の8社(9.2%)、宮城県の7社(8.0%)となった。
同社によると、現在1日あたり1.4社のペースで倒産が発生しており、1995年の阪神淡路大震災と比較すると、約2.3倍のペースで増加。このままのペースで進めば震災から2ヶ月あまりで倒産件数は100社を超える予想だという。なお、負債総額は5月11日時点で527億8600万円にのぼり、倒産企業の従業員数は1619人となった。
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