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観光庁、長官レター発出でMICEの中止阻止をはかる−3件成果も

  • 2011年4月28日
 観光庁は東日本大震災の影響で日本での国際会議や展示会といったMICEやスポーツイベントなど大規模イベントの開催が見直しされている動きを受け、主催者や出展者などに国際会議開催を訴える長官レターを発出した。現在約70通発出しており、展示会などの参加者に向けても、展示会のウェブサイトで長官レターを掲載し、参加を呼びかけているという。

 同庁によると、国際会議の場合、4月27日現在で震災の影響で岩手、宮城、福島、茨城の4県で約10件がキャンセルになり、被災地以外の地域でも、福島第一原子力発電所の事故による風評被害などから50件がキャンセルされた。首都圏では2012年に開催予定だった国際会議がキャンセルされるケースも出てきており、厳しい現状が続いているという。

 こうした中、キャンセル拡大を防止するため、観光庁からMICEの主催者などに対し、長官レターで「国際会議や展示会、イベント等が問題無く開催できる」と開催地域の状況と説明し、「皆様が日本にこられることにより、日本は復興に向け、精神的、経済的に大きな力を与えていただくことになる」と、復興支援のためにも日本でMICEを開催してほしいと呼びかけた。

 こうした活動の成果として、3件の学会や国際会議が予定通りの開催を決定した。実施が決定したのは、名古屋氏での6月のAcademy of International Business 2011 Annual Meetingと、京都で開催される7月の第23回国際血栓止血学会、10月のワールドスリープ2011で、いずれも1000人以上の大規模な案件だ。観光庁によると、長官レターに加え、主催者が原子力発電所からの距離や放射能測定結果資料などから総合的に実施の可否を判断したようだという。

 今後は、引き続き長官レターの発出でキャンセル拡大の防止に努めると同時に、MICEの国際的な団体に対しても、日本での国際会議を初めとしたMICEの安全性を訴える長官レターを別途発出する予定だ。また、海外のMICE見本市にもブースを出展し、日本の最新情報を提供する。すでに4月7日、8日に上海で実施されたIT&CM Chinaに日本政府観光局(JNTO)が出展し、参加者やメディアに対し日本の現状を説明。今後は5月にフランクフルトで開催されるIMEXに出展する予定だ。


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