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日旅、海外夏商戦は3%増9.5万名めざす−欧州チャーター大幅増、クルーズも

  • 2011年4月27日
 日本旅行は4月22日、2011年度夏の海外パッケージ商品の販売を開始した。目玉はヨーロッパチャーターと初めてのチャータークルーズ商品。ヨーロッパチャーターでは、航空座席数を前年の約7倍となる3000席を確保し、昨年に続き実施する北欧に加え、イタリアなど日本各地発合計で10本設定した。今回初めて取り組む夏のチャータークルーズは、シルバー・スピリットを使用。旅行代金を通常の半額程度に設定して値頃感を出し、同クルーズの定員である540名の完売をめざす。このほか、夏の家族旅行「ふぁみバケ」や夏のイチ押し、アーリーサマー商品なども用意し、7月から9月までで前年比3%増となる9万5000名の集客をめざす。

 夏商戦について日本旅行広報室では、「リバウンドに期待したい」と話す。ゴールデンウィークの予約状況は、東日本大震災などの影響により旅行に対する自粛傾向が強く伸び悩んでいた。しかし最近では、観光庁や日本観光振興協会などが自粛を止め、被災地と経済復興に向け観光振興に取り組む旨のメッセージを発信したこともあり、消費者の旅行への抵抗感がおさまってきたという。

 また、夏に向けて各地で節電や、その対策として企業が工場などを長期間閉鎖したり休暇を分散して取得することも予想され、「夏休みの形態が多様化する。長期滞在や新規需要などを取り込みたい」と、幅広い商品設定で夏商戦に取り組む姿勢だ。一方、成田路線の減便などで航空座席が確保できない可能性を想定し、ヨーロッパ方面のチャーター商品を積極的に設定した。


▽ヨーロッパチャーターが拡充、チャータークルーズは値頃感アピール

 夏のヨーロッパチャーターでは、全コース2名からの出発保証と早期割引を設定。日本発は夏休み期間の土曜日出発を多数用意した。東京発ではイタリアと北欧、札幌発イタリア、スイス、大阪発スイス・北欧、中欧・クロアチア、イタリア、松山発スイス・ドイツ、広島発スイス、イタリアを設定している。

 夏のチャータークルーズは7月9日出発限定で、日本から空路でイタリアへ向かう8日間の地中海をめぐるフライ&クルーズ商品。値頃感を打ち出し、夏休みの長期取得者やリピーター需要を見込む。旅行代金は、ベストエクセレントのお気に召すまま基本コース、ビスタスイート利用で大人1人あたり39万9900円。また、チャリティー特別企画とし、同商品の収益から1人あたり5000円を参加人数分集め、震災義援金として日本赤十字社を通じて寄付する。


▽休暇長期取得者や休暇分散による夏休み需要の多様化に対応

 夏のふぁみバケはハワイ・グアム・サイパン、オーストラリア、アジアの3方面で展開。2歳から12歳未満の子供代金には大人代金の半額以下になる特別子供代金を設定。出発50日前早期申込み特典や5月31日までに申し込むと母親のみ1万円割り引く「ママ割」、3世代家族であれば専用送迎車を用意するなどサービスを充実。

 夏のイチ押しは6月から10月出発の商品で、ヨーロッパ、ハワイ、香港・マカオ・中国など11方面を設定した。新企画として夏のロングヴァカンスコースを企画。夏季休暇長期化、分散化をにらみ、“避暑型ツアー”としてヨーロッパで12日間のコースを設定したほか、順次アジアなど近距離方面も順次販売する。このほか、5月から7月出発で設定したのはアーリーサマー商品で、1泊2日の台湾ツアーを始め、ハワイやバンコクなど6方面用意した。


▽2011年度夏商品の方面別目標人数(方面/人数)
アジア/4万2800人
ヨーロッパ/2万7300人
ハワイ/5300人
グアム・サイパン/1万900人
アメリカ・カナダ/3400人
オセアニア/2000人
中国/3300人
合計/9万5000人