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HVCB、ハワイのMICE拡大訴え−旅行会社の知識不足課題、人材育成も

  • 2011年4月27日
 ハワイビジターズ&コンベンションビューロー(HVCB)と日本旅行業協会(JATA)VWC2000万人推進室は4月26日、「ハワイMICEセミナー」を開催した。セミナーではHVCBアジア・リージョナル・ディレクターの西茂氏が「日本からのMICEはインセンティブが約9割で、展示会やミーティングの開催はまだ非常に少ない」と指摘。2011年はAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議がハワイで開かれることを機に、ミーティングなどに対し、受け皿を充実させることで、「ハワイはレジャーだけ、ではなく、ビジネスレジャーへと変えていきたい」考えを示した。

 セミナーではハワイでのMICEの事例研究として、ダスキンビジネスサービス事業本部法人営業部東京法人営業セールスマネージャーの伊達健二氏が登壇。オーガナイザーの視点から旅行会社に求める役割や期待する点を述べた。伊達氏は旅行会社の課題として、クライアントとなる企業の研究不足をあげ、「各企業が何をしたいのか、マーケティングを含めて(提案を)進めて」いく必要性を指摘した。

 また、伊達氏は現地の最新情報などの知識不足も課題としてあげる。オアフ島のコオリナ地区では2011年8月に「アウラニ・ディズニー・リゾート&スパ・コオリナ・ハワイ」が開業することもあり、新たな小売店やコオリナ発のオプショナルツアーの造成などさまざまな動きがでてきておいるところ。伊達氏によると、ワイキキとコオリナを2泊ずつ組み合わせたインセンティブツアーの可能性もあるが、日本にそうした情報が入ってくるのは遅いという。伊達氏は旅行会社に対し、積極的に最新情報を収集するとともに、情報を活用しアイデアを出すことで「マンネリ化をやめて、ブームを作ってほしい」と訴えた。

 HVCBとJATAVWC2000万人推進室はハワイでのMICEの実施拡大のため、2009年からセミナー形式の実践講座とオンライントレーニング、現地研修をセットにしたプログラム「ハワイMICE実践講座」を実施。西氏によると同講座は2011年も実施する予定で「(ハワイMICEの)スペシャリストを育てることで、オーガナイザーの要望に回答できるようにしていきたい」考えを示した。

 セミナーでは講座の卒業生からハワイでの実地研修の様子を紹介。実地研修では現地の各宿泊施設やイオラニ宮殿などのベニューを視察。研修参加者によると、最新情報を得るとともに、ベニューを参加者視点で体験することができ、説得力を持って顧客に提案できるようになるなど、実際のセールス活動に効果があったという。


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