岩手県北観光、桜をテーマに東京発着バスツアー設定−東北の経済復興はかる

  • 2011年4月20日
 岩手県北観光は4月1日、東北の桜をテーマに「ケッパレ東北!みちのくさくら紀行」を発売した。これは東日本大震災の影響で経済活動が停滞している、岩手を含む北東北地域の経済活動の正常化をはかるための取り組みの一つとして実施するもの。東京発着のコースを設定することで、首都圏からの需要の取り込みをはかる。同社によると、旅行の自粛傾向や風評被害で苦しむ岩手県内陸部や東北地方の観光業関係者への支援の意味もこめて企画したという。

 岩手県北観光によると、岩手県内陸部の角館や弘前などは観光が可能だが、旅行の自粛傾向や風評被害により観光客が減少しており、花見の観光地では訪問者が前年比9割減となったところもあった。同社でも募集型企画旅行の場合、震災から発生後1ヶ月で約700名のキャンセルが発生。一般団体旅行も旅行を自粛する傾向が強く、修学旅行も春に実施する予定のものが秋に延期となっているという。

 そうした状況の中、東北の観光振興をはかるため首都圏からの誘客をはかり、東北での消費を促すことで復興支援につなげる考え。東京発着のバスツアーを2コース設定したほか、盛岡駅発着の日帰りバスツアーを用意し、東北地方の訪問者の取り込みもはかる。また、今後は夏の電力不足やそれにともなう計画停電を考慮し、夏も涼しい東北で夏祭りを楽しみながら節電するエコツアーの実施についても検討中だという。

 出発日は東京発着バスツアーが4月22日から5月3日までの毎日で、日帰りバスツアーが4月23日から5月3日の毎日。最少催行人員は5名とした。すでに東京を中心に約100名の申し込みがあったという。旅行代金は盛岡市の石割桜、角館の枝垂桜、弘前城のさくらまつりを巡る「みちのく桜三大名所めぐり」の場合、2名から5名一室利用で大人一人3万8800円から。


▽地震関連情報一覧
リンク