関西広域連合、観光関連団体にメッセージ発出−海外へのプロモーション強化

 関西広域連合は4月12日、東日本大震災をうけ、関西広域連合広域観光・文化振興担当委員で京都府知事の山田啓二氏の名前で観光関連団体宛てのメッセージを発出した。

 「当面の観光に関する関西広域連合の取組について」と題したメッセージでは、震災の影響による経済活動の停滞やインバウンド、国内観光の自粛ムードに「日本の観光産業が瀬戸際に追い込まれつつあるところ」と懸念を表明。震災被災地の支援や復興のため、関西広域連合を構成する兵庫県、和歌山県、滋賀県、京都府、大阪府、鳥取県、徳島県の7府県知事で「関西経済・観光を萎縮させず、日本経済を牽引し振興を図ることについて申し合わせを行った」という。

 具体的には、経済活性化による被災地支援のため、行事の自粛などによる経済の萎縮を防ぎ、雇用不安をあおることのないよう、関西の産業と観光の振興をはかる。また、被災地域の復興に全力をつくすとともに、国内産業の空洞化を防ぐため、部品や資材などの供給体制を関西全体で整え、ものづくりの振興にも取り組んでいく。さらに外国人旅行者に対し、安心感につながる正確な情報発信を強化するとともに、観光誘客の一層の促進を国に求めていく考えだ。

 今後の取り組みとしては、正確な情報発信や海外へのプロモーションを積極的に実施することで、インバウンド需要の取り込みをはかる。海外メディアの招聘や海外へのトップセールスも検討中しており、ビジット・ジャパン(VJ)事業の重点15市場を中心に、早期に働きかけを実施していく考えだ。メッセージの全文は以下の通り。


▽関西広域連合 広域観光・文化振興担当委員 山田啓二氏(京都府知事)
「当面の観光に関する関西広域連合の取組について」

 東日本大震災から1ヶ月経過しましたが、改めて、今回の大震災により犠牲になられた皆様、御家族に心からお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。

 この大地震とそれに伴う津波、さらに原子力発電所事故により我が国は危機的な状況に陥っております。この影響は、現在、経済面にも波及し、一段厳しい状況が広がりつつあり、復興の妨げになることが懸念をされております。特に、観光においてはインバウンド観光はもとより国内観光についても、自粛ムードの中で旅行、宿泊等のキャンセルが相次ぎ、日本の観光産業が瀬戸際に追い込まれつつあるところです。

 このような中で、私共関西広域連合においても、先般、震災被災地の支援・復興を果たすため、井戸連合長をはじめとする構成7府県の知事が、関西経済・観光を萎縮させず、日本経済を牽引し振興を図ることについて申し合わせを行ったところであります。また、この度、観光庁長官から、別添のとおり「当面の観光に関する取組について」の通知がありました。

 私共もこの機をとらえ、「観光で日本を元気に」という思いのもと、関西広域連合として、今後、情報発信やプロモーションについて積極的に取り組んでいきたいと考えておりますので、関係各位におかれましては、是非ともご協力を賜りますようお願いいたします。


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