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「JTB京阪トラベル」設立へ−JTBが事業譲受、共同出資で仕入や販売強化

  • 2011年3月30日
 JTB西日本と京阪電気鉄道(京阪)はこのほど、「事業譲渡及び事業連携に関する契約」を締結することで合意した。これは、京阪交通社の事業を、一部を除いてジェイティービー(JTB)と京阪の共同出資による新会社「JTB京阪トラベル」に譲渡するとともに、関西への観光客誘致と、駅前や駅ナカの利便施設としての事業連携を推進しようとするもの。新会社の資本金は9500万円で、出資比率はJTB90%、京阪10%。7月1日に事業を譲受して事業を開始する計画だ。

 JTB西日本と京阪によると、オンライン販売の拡大や消費者ニーズの多様化など経営環境が厳しさを増す中、さらなる成長をめざすうえで、両社が連携を強化し、互いの経営資源を最大限に活用することが最善の方法と判断したという。京阪交通社が持つ利便性が高い店舗と、JTBグループの商品企画力、商品の多様性、ニーズの把握能力、提案力を結びつけ、対面式のカウンター営業を優位性の高い販売チャネルとするねらい。これにより、インバウンド拡大や関西全体の活性化をめざす。

 今回の事業譲渡により、JTBグループとしては、京阪沿線への効果的な出店による新規需要の開拓、京阪交通社の駅前、駅ナカの12営業所の獲得によるスケールメリットの拡大、鉄道やバス、ホテルなどを有する京阪グループとの連携による旅行商品の充実などのメリットを見込む。また、京阪としても、沿線地域の居住者の旅行に対する期待に応えるとともに、沿線外にも沿線の魅力を周知し、さらに駅のサービス機能の充実がはかれると見る。

 具体的には、7月1日付で大阪、京都、淀屋橋、京橋、守口、寝屋川、香里園、枚方、樟葉、丹波橋の各営業所とSSOK旅行センター、京都女子大学トラベルサロンでおこなっている旅行事業とそれに付随する事業をJTBに譲渡。仕入手配業務や商品造成での連携では、JTBの国内旅行商品とインバウンド向け商品で京阪グループの施設の販売強化をはかり、さらに京阪が実施するインバウンド旅行の手配業務にJTBが協力する。

 また、販売・営業面での連携では、国内外の販売プロモーションで協力するほか、JTBグループの旅行商品を京阪の社内や駅で紹介。インバウンドではアジアからの誘客をめざし、インバウンド向けの商品開発、多言語対応にも取り組む。さらに、京阪沿線の活性化として、沿線の観光、産業、地域活性化事業の発掘と連携や、沿線への誘客イベントの企画開催を進める。このほか、定期的に両グループで営業戦略会議も開催する。