JATA、地震対策組織の早期立ち上げめざす−各委員会で意見交換を実施

  • 2011年3月29日
 日本旅行業協会(JATA)は、東北地方太平洋沖地震に伴う震災への対応や対策、復興支援などについて協議する組織の立ち上げに向け、調整を進めている。これは3月24日開催された、海外旅行委員会と国内旅行委員会での会員各社との意見交換会を受けてのもの。早期立ち上げに向け、海外、国内旅行を集約して1つの組織とする可能性も含め、組織の形態やメンバーなど詳細を検討中だという。

 各委員会では地震や福島第一原子力発電所の事故などの影響を踏まえ、会員各社からヒアリングや意見交換を実施。国内旅行委員会のヒアリングによると、旅行会社各社とも震災の被害に加え、福島第一原子力発電所の事故、東北新幹線の運休、東京ディズニーリゾートの休園をはじめとした観光施設の休業などによる打撃が響き、先行きが見えない状況だという。

 国内旅行業務部部長の興津泰則氏によると「(国内旅行では)新規の申し込みもあるが、それを上回るキャンセルが発生している」ため、受注状況をみると、3月は40%から50%減、4月は30%以上落ち込んだ会社もあった。地震の影響が東北をはじめ広範囲で出ており、たとえば関西発東京方面行きの修学旅行の延期や方面変更、キャンセルも発生しているという。

 また、海外旅行委員会でも、地震の影響で海外旅行のキャンセルが一定量発生しているとの声が上がっており、ある旅行会社では東京ディズニーリゾート関連のキャンセルが半数を占めており、全体のキャンセルの1割程度は海外旅行だという。

 各委員会の意見交換では、会員から義援金の実施をはじめとした被災地域への支援策の検討や、JATAとして国内旅行、海外旅行、インバウンドの状況を包括的に取りまとめることが提案された。また、消費者へのキャンセル対応の相談や、キャンセルポリシーが会社ごとに異なることから消費者の混乱を招く、といった懸念の声もあがったという。


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