現地レポート:ブラジル、W杯、五輪開催の地−リオ・デ・ジャネイロ
サッカーワールドカップ、オリンピックが決まってますます熱い
ブラジルの美しい港街、リオ・デ・ジャネイロ
世界三大美港に数えられる美しい街、リオ・デ・ジャネイロ。ロンリープラネットの公式サイトで世界のベストビーチシティ10にも選ばれ、恒例のカーニバル(今年は3月5日〜8日開催)には国内外から約70万人が訪れるなど世界的に人気の観光地であるが、さらにこの街には2014年にサッカーワールドカップ、2016年にはオリンピックと、世界が注目する2つの大イベントが立て続けにやってくる。日本から南米を訪れる旅行者はシニア層が多いが、2大ビッグイベントの期日が近づくにつれ、幅広い客層の注目が集まることが予想される。定番の観光名所だけでなく、古い街並みが見事な歴史地区、ブラジリアンファッションなど多彩な素材もあり、これからのデスティネーションとして期待される街だ。
日本にも知られる名所
距離は遠くても身近な街
リオ・デ・ジャネイロは、サンパウロに次ぐブラジル第2の都市。人口は700万人を超え、1822年の建国時から1960年のブラジリアへの遷都までの間の138年間、首都とし繁栄した歴史をもつ。街のランドマークでもあるコルコバードの丘のキリスト像、コパカバーナビーチ、イパネマビーチ、そして世界有数の規模を誇るカーニバルと、日本から遠く離れた国ながら、日本に知られている地名、イベントも多い。
街を抱くかのように両手を大きく広げ、コルコバードの丘の上から街を見下ろしているキリスト像は、リオ・デ・ジャネイロのシンボルだ。今回は時間が少なかったのと、キリスト像の全身の写真を撮りたかったので、コルコバードの丘から少し離れた高台、ドナ・マルタ展望台へ。丘の上には、ポン・デ・アスーカル(英名:シュガー・ローフ)と街を一望する展望台、そして反対側にヘリポートがある。キリスト像を望むことができるのはヘリポート側だ。像をバックに、同じポーズで記念撮影をする観光客も多く見られた。
コルコバードの丘は海抜709メートルで、台座が8メートル、キリスト像そのものが30メートルある。展望台へ行った初日、ちょうど頂上が雲に隠れてキリスト像を見ることができなかった。雲が低くなると丘に気流が当たり、次々と新しい雲ができてしまうのだ。30分ほど待ったが、写真を撮ることはできなかった。どちらの丘も中腹には貧しい人々が暮らすエリアがあるので、アクセスはホテルで呼んだタクシーや現地旅行会社で手配したチャーター車などの信頼できる車か、コルコバードの丘なら登山電車を利用するようにしたい。
リオ・デ・ジャネイロには世界的に知られるふたつのビーチがある。バリー・マニロウが歌って世界に知られた「コパカバーナ」は、実際にはニューヨークの同名のナイトクラブが歌の舞台とされているが、名前のオリジナルはリオ・デ・ジャネイロ。弓なりに3キロメートル続く美しいビーチ沿いに、コパカバーナ・パレスに代表される高級ホテルやマンション、レストランなどが立ち並ぶ。もうひとつのビーチ、ボサノバの名曲「イパネマの娘」で知られるイパネマビーチがあるのは、コパカバーナビーチと岬を隔てた南側。イパネマ地区には、ホテルよりも高級マンションが多く、高級ブティックや、心地いいレストラン、カフェなどが点在する。また、ビーチのあちらこちらで見られる芸術的な砂の彫刻もイパネマビーチならでは。天気が悪くても日曜日はビーチが人で埋め尽くされるほどにぎわうのは、このビーチが市民の憩いの場になっているからだ。
イパネマのショッピングは
ブラジリアンファッション
ショッピングは、コパカバーナ地区、イパネマ地区の両方で楽しむことができるが、今もっともホットなのはファッションブティックが軒を連ねるイパネマ地区。実はブラジルはファッションの先進国で、日本にもクオリティの高い製品が数多く輸出されているのだ。
まず、ショッピング好きの女性にお勧めなのはジュエリー。ブラジルは、様々な宝石やパワーストーンの産地として知られる国。イパネマ地区には「アガスターン」の本店があり、世界に知られる高いクオリティと秀逸なデザインのジュエリーを、鑑定書付きで買うことができる。「アガスターン」は、世界12ヶ国160店舗もの支店を持ち、日本に出店していたこともあるブラジル随一のジュエリーブランドだ。また、空港の土産物店でもパワーストーンが売られていて、アメジストの上に載ったキリスト像など、リオ・デ・ジャネイロらしい土産物が並んでいる。
世界のベストビーチシティに選ばれた街ならではのファッションも注目されている。昨年10月には、東京のブラジル大使館でファッションの展示会が催された。特に、「ブラジリアンビキニ」と呼ばれる、ポップで大胆なデザインの水着はマリンスポーツの愛好家を中心に人気が高い。ほかに、ラバー製ビーチサンダルやメンズファッションブランドも続々と日本に進出している。イパネマ地区では、本場の最新デザインのブラジリアンファッションのショッピングを楽しむことができるのだ。
街の歴史が残る旧市街
セントロ地区へ
街の北東に位置するセントロ地区は、中央を南北に走るリオ・ブランコ大通りを中心に高層ビルが立ち並ぶ一方で、リオ・デ・ジャネイロでもっとも古い街並みが残されている場所。ポルトガル植民地時代に約200年の歳月をかけて1811年に完成したカンデラリア教会や、南米でもっとも有名な劇場のひとつである市立劇場など、バロック様式が残る芸術的な建物が多い。
この地区の歴史あるカフェを取材した。「カフェテリア・コロンボ」は、セントロ地区の細い路地沿いにある。コロニアル調の古い建物をそのまま利用して1894年にオープンしたカフェで、1階はカフェ、2階はレストランと、創業当時に使われていた小物や写真などの品々が飾られた小さな博物館がある。入り口ではコーヒー豆や、チョコレート、ペストリー、オリジナルの小物などが販売されていてたいへんなにぎわいだった。時間がなければ、建物を見てスイーツやコーヒー豆を買うだけでも、訪れる価値が充分にあるカフェだ。
空港からリオ・デ・ジャネイロの中心地までは、道が空いていれば20分ほどで移動できるが、朝夕のラッシュ時には2時間近くかかることもあるという。途中の1本道で渋滞してしまうからだ。特に、市街地から空港へ向かう場合には時間の余裕をもって移動したい。
最後に、取材に同行してくれたブラジル人コーディネーターがリオ・デ・ジャネイロの街を分かりやすく説明してくれた。アメリカの都市に例えると、ビジネスシティのサンパウロはニューヨークでリオ・デ・ジャネイロはマイアミとのこと。美しいビーチに恵まれたリゾート地でもありながら、都市としての機能を併せもつ街なのだ。
ブラジルの美しい港街、リオ・デ・ジャネイロ
世界三大美港に数えられる美しい街、リオ・デ・ジャネイロ。ロンリープラネットの公式サイトで世界のベストビーチシティ10にも選ばれ、恒例のカーニバル(今年は3月5日〜8日開催)には国内外から約70万人が訪れるなど世界的に人気の観光地であるが、さらにこの街には2014年にサッカーワールドカップ、2016年にはオリンピックと、世界が注目する2つの大イベントが立て続けにやってくる。日本から南米を訪れる旅行者はシニア層が多いが、2大ビッグイベントの期日が近づくにつれ、幅広い客層の注目が集まることが予想される。定番の観光名所だけでなく、古い街並みが見事な歴史地区、ブラジリアンファッションなど多彩な素材もあり、これからのデスティネーションとして期待される街だ。
日本にも知られる名所
距離は遠くても身近な街
リオ・デ・ジャネイロは、サンパウロに次ぐブラジル第2の都市。人口は700万人を超え、1822年の建国時から1960年のブラジリアへの遷都までの間の138年間、首都とし繁栄した歴史をもつ。街のランドマークでもあるコルコバードの丘のキリスト像、コパカバーナビーチ、イパネマビーチ、そして世界有数の規模を誇るカーニバルと、日本から遠く離れた国ながら、日本に知られている地名、イベントも多い。
街を抱くかのように両手を大きく広げ、コルコバードの丘の上から街を見下ろしているキリスト像は、リオ・デ・ジャネイロのシンボルだ。今回は時間が少なかったのと、キリスト像の全身の写真を撮りたかったので、コルコバードの丘から少し離れた高台、ドナ・マルタ展望台へ。丘の上には、ポン・デ・アスーカル(英名:シュガー・ローフ)と街を一望する展望台、そして反対側にヘリポートがある。キリスト像を望むことができるのはヘリポート側だ。像をバックに、同じポーズで記念撮影をする観光客も多く見られた。
コルコバードの丘は海抜709メートルで、台座が8メートル、キリスト像そのものが30メートルある。展望台へ行った初日、ちょうど頂上が雲に隠れてキリスト像を見ることができなかった。雲が低くなると丘に気流が当たり、次々と新しい雲ができてしまうのだ。30分ほど待ったが、写真を撮ることはできなかった。どちらの丘も中腹には貧しい人々が暮らすエリアがあるので、アクセスはホテルで呼んだタクシーや現地旅行会社で手配したチャーター車などの信頼できる車か、コルコバードの丘なら登山電車を利用するようにしたい。
リオ・デ・ジャネイロには世界的に知られるふたつのビーチがある。バリー・マニロウが歌って世界に知られた「コパカバーナ」は、実際にはニューヨークの同名のナイトクラブが歌の舞台とされているが、名前のオリジナルはリオ・デ・ジャネイロ。弓なりに3キロメートル続く美しいビーチ沿いに、コパカバーナ・パレスに代表される高級ホテルやマンション、レストランなどが立ち並ぶ。もうひとつのビーチ、ボサノバの名曲「イパネマの娘」で知られるイパネマビーチがあるのは、コパカバーナビーチと岬を隔てた南側。イパネマ地区には、ホテルよりも高級マンションが多く、高級ブティックや、心地いいレストラン、カフェなどが点在する。また、ビーチのあちらこちらで見られる芸術的な砂の彫刻もイパネマビーチならでは。天気が悪くても日曜日はビーチが人で埋め尽くされるほどにぎわうのは、このビーチが市民の憩いの場になっているからだ。
イパネマのショッピングは
ブラジリアンファッション
ショッピングは、コパカバーナ地区、イパネマ地区の両方で楽しむことができるが、今もっともホットなのはファッションブティックが軒を連ねるイパネマ地区。実はブラジルはファッションの先進国で、日本にもクオリティの高い製品が数多く輸出されているのだ。
まず、ショッピング好きの女性にお勧めなのはジュエリー。ブラジルは、様々な宝石やパワーストーンの産地として知られる国。イパネマ地区には「アガスターン」の本店があり、世界に知られる高いクオリティと秀逸なデザインのジュエリーを、鑑定書付きで買うことができる。「アガスターン」は、世界12ヶ国160店舗もの支店を持ち、日本に出店していたこともあるブラジル随一のジュエリーブランドだ。また、空港の土産物店でもパワーストーンが売られていて、アメジストの上に載ったキリスト像など、リオ・デ・ジャネイロらしい土産物が並んでいる。
世界のベストビーチシティに選ばれた街ならではのファッションも注目されている。昨年10月には、東京のブラジル大使館でファッションの展示会が催された。特に、「ブラジリアンビキニ」と呼ばれる、ポップで大胆なデザインの水着はマリンスポーツの愛好家を中心に人気が高い。ほかに、ラバー製ビーチサンダルやメンズファッションブランドも続々と日本に進出している。イパネマ地区では、本場の最新デザインのブラジリアンファッションのショッピングを楽しむことができるのだ。
街の歴史が残る旧市街
セントロ地区へ
街の北東に位置するセントロ地区は、中央を南北に走るリオ・ブランコ大通りを中心に高層ビルが立ち並ぶ一方で、リオ・デ・ジャネイロでもっとも古い街並みが残されている場所。ポルトガル植民地時代に約200年の歳月をかけて1811年に完成したカンデラリア教会や、南米でもっとも有名な劇場のひとつである市立劇場など、バロック様式が残る芸術的な建物が多い。
この地区の歴史あるカフェを取材した。「カフェテリア・コロンボ」は、セントロ地区の細い路地沿いにある。コロニアル調の古い建物をそのまま利用して1894年にオープンしたカフェで、1階はカフェ、2階はレストランと、創業当時に使われていた小物や写真などの品々が飾られた小さな博物館がある。入り口ではコーヒー豆や、チョコレート、ペストリー、オリジナルの小物などが販売されていてたいへんなにぎわいだった。時間がなければ、建物を見てスイーツやコーヒー豆を買うだけでも、訪れる価値が充分にあるカフェだ。
空港からリオ・デ・ジャネイロの中心地までは、道が空いていれば20分ほどで移動できるが、朝夕のラッシュ時には2時間近くかかることもあるという。途中の1本道で渋滞してしまうからだ。特に、市街地から空港へ向かう場合には時間の余裕をもって移動したい。
最後に、取材に同行してくれたブラジル人コーディネーターがリオ・デ・ジャネイロの街を分かりやすく説明してくれた。アメリカの都市に例えると、ビジネスシティのサンパウロはニューヨークでリオ・デ・ジャネイロはマイアミとのこと。美しいビーチに恵まれたリゾート地でもありながら、都市としての機能を併せもつ街なのだ。
デルタ航空、同日乗り継ぎで南米へアクセス可能
アトランタ乗り継ぎでは受託荷物ピックアップ不要のシステムも
アメリカ経由でブラジルを含む南米各地に行く場合、
アトランタ空港をハブとしているデルタ航空(DL)便で
は、同日乗継が可能だ。
成田/アトランタ線、アトランタ/リオ・デ・ジャネ
イロ線は双方ともデイリーで運航しており、ツアー日程
の組み方にバリエーションがつけやすい。乗り継ぎが1
回で済むという利点もある。2月20日からは成田、名古
屋に加えて羽田/デトロイト便が、2月21日からは羽田
/ロサンゼルス便もデイリーで就航し、さらに旅程の自
由度が上がる。デトロイトからはサンパウロまで週2便、
こちらも同日乗り継ぎが可能だ。
そして、アトランタ空港にはハブ空港ならではの充実
した施設もそろう。空港内に8ヶ所ものスカイクラブが
ある。スカイクラブ会員以外にも、50米ドルでワン・デ
イパスを発行している。
さらに、ITI(インターナショナル・トゥ・インター
ナショナル)システムを活用することができる。これは、
アトランタ空港で、同日に国際線から国際線に乗り継ぐ
場合に、出発地で預けた荷物が自動的に最終目的地に運
ばれるシステム。国際線で米国内の空港に到着して第三
国に乗り継ぐ場合、通常は乗り継ぎ地で荷物のピックア
ップとなるが、このシステムならその手間を省くことが
できる。チェックインの際に機内預け手荷物に付けられ
るタッグが、写真のITIタッグだ。
また、DLは2010年7月、中南米最大のLCCであるブラジルのゴル航空(G3)と提携した。こ
れにより、G3の利用でDLのスカイマイルを溜められることになった。さらに2011年2月7日か
ら、コードシェアを開始。DLの南米ネットワークにブラジル15都市が加わった。
取材協力:ブラジル観光公社、メルコスール観光局、デルタ航空
取材・文:たかせ藍沙