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ハワイ州観光局、初訪問者、SIT商品の未開拓市場を重視−今年は125万人へ

  • 2011年2月7日
 ハワイ州観光局(HTJ)代表の一倉隆氏は、2月4日に東京で開催した「2011ハワイセミナー」で、2011年は「想像より、おもしろい。ハワイ」をタグラインとし、新マーケットの開拓に力点を置く方針を説明した。

 博報堂の調査によると、ハワイ旅行への関心が高い「リピーター」が28.5%であるのに対し、ハワイへの関心はあるが行ったことのない「潜在層」は36.1%。一倉氏は「今、ハワイを旅行をしている層より大きい」と、未開拓市場に取り組む理由を説明する。また、パッケージ商品以外のFITが増えていることから、「ファーストタイマーの取り込みと、FITへのテーマ性のあるSIT商品の提案が今後の課題。それが旅行会社のビジネス拡大につながる」と強調した。一方で、ロマンス市場やシニア、ファミリーなど従来の顧客層の維持にも努める。

 施策としては、ファーストタイマー獲得やSIT商品造成をねらい、「旅スポハワイ」を立ち上げ、新しい旅のスタイルを提案する。特にランニングでは、毎週土曜日にワイキキで「旅スポハワイ・グループランニング」を無料で実施。また、コースマップを掲載する冊子「ハワイの走り方」を作成し、ハワイでランニングを楽しむための情報を提供していく。

 旅行会社へのサポートでは、今年も自然写真家の高砂淳二氏とのコラボレーションによるパンフレット用素材を提供するほか、全国12社の2000店舗にディスプレイキットを配布。また、昨年10月の日本航空(JL)のコナ線撤退を受け、旅行会社の協力を得てハワイ島だけの商品パンフレットを展開したところ、11月のハワイ島の日本人客数が前年比9.3%増となったことから、今後も隣島のプロモーションを実施する。

 このほか、ハワイ好きの著名人によるクチコミ・ホームページ「マイ・ハワイ」の開設や一般旅行者を対象にしたクチコミフォトコンテストを予定するなど、クチコミによるキャンペーンも展開する。

 2010年の日本人訪問者数は前年比5.3%増の123万人で、2008年と2009年の実績を上回ることになる。一倉氏は「2010年は回復の年」と強調。「今年はハワイ州として125万人が目標だが、もっと上をめざしたい」と意欲を示す。航空座席数は、機材の大型化や韓国/ハワイ間の路線拡充による経由便利用の増加、プログラムチャーターの増加が見込まれており、通年では2010年の160万席より増加すると予想している。

 なお、同セミナーは1月下旬から札幌、仙台、福岡、大阪、名古屋、東京の6都市で開催。あわせて現地から来日したサプライヤーとのワーショップも催された。


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