エジプト、滞在中の旅行者2000名以上か−渡航延期で各社ツアー催行中止

  • 2011年2月1日
 エジプトで反政府デモが続く中、日本時間1月29日付けで外務省がエジプト全土を対象に渡航情報を「渡航の延期をお勧めします」に引き上げ、旅行大手各社が募集型企画旅行の催行を中止している。日本旅行業協会(JATA)によると、日本時間31日現在で会員各社から連絡のあった現地滞在中の旅行者はおよそ2000名。FITの旅行者を含めると2000名以上が現地にとどまっている可能性がある。一方、外務省がチャーターを設定するなど対応を急いでいることもあり、現地時間31日にはジェイティービー(JTB)と阪急交通社のみで700名強が出国できる見通しだ。

 JTBでは、2月28日出発までの中止を決定。31日現在で518名が滞在中で、帰国に向けた説明や手続きを進めているところ。31日には400名が出国できる予定で、3月1日以降の出発分の催行可否は2月22日に判断するという。エイチ・アイ・エス(HIS)は2月15日まで催行を取りやめた。30日現在で約140人が滞在中で、2月16日以降の催行は「今週中に決定する」方針。

 また、阪急交通社では、3月3日までの催行中止を決定。現地には418名が滞在中で、31日にはこのうち334名が外務省のチャーターや第3国経由で出国する。3月4日以降の対応は現在検討中。このほか、近畿日本ツーリスト(KNT)は3月4日、日本旅行は2月28日まで催行中止。日本旅行は90名が現地滞在中で、KNTは30日のエジプト航空(MS)便ですべての旅行者が帰国できたという。

 なお、MSでは、帰国便の日付変更や発券済みの予約キャンセルについて、ウェブサイト上で対応状況を説明。帰国便の日付を変更する場合は、変更希望日と便名をFAXかメールで送付するよう求めている(◆リンク)。また、JATAでは、まだ現地滞在中の旅行者数を報告していない会員や2月中にエジプト旅行の実施を確定している会員に対して早急な報告を求めている。