中国人観光客向けクーポンサイトを立ち上げ、ネット企画のイルナ

  • 2011年2月1日
 インターネットビジネスの企画や開発、運営を手掛けるイルナは先ごろ、訪日中国人観光客を対象とした日本でのショッピングが割引となるクーポンサイト「日遊酷棒(リーヨウクーバン)」を開設した。国が観光立国をめざす中で、訪日外客の中でも中国人観光客の割合は高く、その取り込みを支援するサービスを提供することで事業の拡大、成長につなげるねらいだ。イルナ代表の矢作嘉男氏は、「2月からは本格的に広告もスタートさせる。年間で10万人をめざしたい」と意気込みを述べた。

 同ウェブサイトの仕組みは、大手百貨店や家電量販店などで利用可能なクーポンを99元(約1200円)支払って購入するというもので、一度支払うと90日間取り放題になる。クーポンを印刷し対象店舗で提示すると、クーポンに表示した条件で割引を受けることができる。中国は若年層を中心にクーポンを利用して買い物するスタイルに慣れており、街中にもクーポンの自動販売機が設置され周辺のレストランや店舗でクーポンを利用できるという。また、99元という料金設定について矢作氏は、「99元は中国の物価と比べると安くないが、日本を訪れる中国人観光客の消費額は1人平均15万円から20万円なので高くない」と話す。

 1月末現在、参加している店舗は約30店舗。無料で掲載できることもあって、参加店舗数は拡大しており、半年後には東京エリアだけで約100店舗をめざす。また、3月には関西エリア、4月には福岡エリアの掲載も開始する計画で、全部で300店舗にまで拡大する考えだ。2月以降はインターネットを通じた広告やクチコミなどを利用し、プロモーションを強化。参加店舗数、利用者数ともに増やしていき、事業拡大につなげる。なお、中国本土向けの簡体字サイトと、台湾、香港向けの繁体字サイトの2サイトを開設している。