カナダ、2010年の日本人客は23%増の24万人、業界と協力深め今年は30万人へ

  • 2011年1月18日
 カナダ観光局(CTC)および各州政府観光局(チーム・カナダ)は1月17日に新年会を開催、2011年マーケティング活動として今年も旅行業界との協力体制を重視し、日本でのプロモーション予算を全面的に業界向けに使用していくことを表明した。昨年は現地の観光局や民間企業、ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)の対象国として日本の旅行業界と送客に向けて協力した結果、日本人訪問者数が前年比23%増の24万人に増加した。来日したカナダ運営委員会のマイク・ルビー氏は「これがうまくいった」とし、「今年はさらにパートナーシップを深め、20%増の30万人をめざす。協力してお互いに利益を上げていきたい」と呼びかけた。

 日本地区代表に就任したモリーン・ライリー氏は2011年のプランについて、「全体的に業界向けにフォーカスする」と業界を重視する姿勢を強調。昨年実施した日本の旅行業界との送客増加に向けたワーキング・グループや業界向けのセミナー、研修を継続し、カナダ・スペシャリストは新段階のレベル2も開始する。また、チーム・カナダの予算増加分も、旅行会社のサポートにあてていくほか、メディアピーアールにおいても、ツアーの販促支援ができる形で連動していく予定だ。今年のプロモーション予算は100万ドルで、ライリー氏は現段階の考えとして、75%をマーケティング含む旅行業界のパートナーシップに、残りを研修やトレーニングにあてる意向を示した。詳細については来週開催するチーム・カナダのミーティングで決定する。


▽日本市場への投資に期待、昨年の実績が大きな自信に

 CTC国際担当副社長のチャールズ・マッキー氏は、日本市場の予算を増加した理由について、「過去20年間成功していた日本市場は重要市場。この数年は景気低迷の影響があったが、昨年の取り組みで回復の兆しが見え、自信を持った。ここで投資すれば大きな成果見える」と話す。「日本では旅行会社の協力なくしてはうまくいかない」とし、カナダの情報提供やプロダクト開発、さらには新商品の販売に対するサポートも考えているという。

 旅行会社に市場を顕在化してもらうと同時に、消費者の需要を引き出すことも重視している。今年はメディアでの広告展開は予定していないが、「メディアアクティビティで働きかけるよいタイミング」として、携帯やiPodなどSNSを利用する考え。これまで、シニアの高収益な客層をメインターゲットとしていたが、今後は客層拡大を意識し、年代や性別のみならず、旅行に求める興味や志向などにもSNSやブログなどを活用し、アプローチしていく予定だ。


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