JTB田川社長、11年は「仕掛ける」年−「決心」継続、チャーターも積極利用

  • 2010年12月15日
 ジェイティービー(JTB)代表取締役社長の田川博己氏は12月14日に本誌インタビューに応じ、旅行需要創出のため「従来の旅行商品だけでなく、自らが仕掛けていく」と2011年の方針を示した。

 田川氏は、2011年は景気の伸び悩みが持続すると分析。羽田空港の国際化や東北新幹線、九州新幹線の開通などのインフラ整備により瞬間的な需要は増えるものの、通年での大きな増加には繋がらないとする。このような中で、「定番の商品はなかなか売れなくなる、仕掛けたものしか売れない」状態になるとの考えで、需要確保のために「価格プラスアルファの仕掛け」を消費者に訴えていく考えだ。

 「仕掛け」の1つは、今年開始した「ルックJTBの決心。」と同様の品質向上にこだわった商品革新だ。田川氏は、商品革新で実施した追加代金無しでの「並び席」の提供や子供代金の半額などの施策が「コストがかかる」とし、さらに十分には消費者の支持を得られていないとしつつ、「(旅行の)質について感心を持ってもらう一石にはなった」と評価。今後も「ひとつの需要の創出策として、自信を持ってやっていく」と述べ、数年かけて継続していく考えを語った。

 また、各地域会社のデスティネーション・マネージメント・カンパニー(DMC)化を推進し、「受地でいいものがあれば発地の商品に組み込む」取り組みもさらに継続し、発着地双方で協力した商品造成をはかる。田川氏は「マーケットインのニーズと、現地のプロダクトアウトのニーズが重なった商品群ができれば、絶対に売れる」とし、DMCの展開に注力する姿勢を明示した。

 なお、航空仕入れの戦略については、航空会社が機材の小型化を進める中で「旅行会社の最大のテーマは座席確保」と説明。座席供給量の減少に対して商品造成に必要な座席の確保をはかるため、チャーター便を今後も積極的に活用する考えを示した。

 なお、インタビューの詳細は後日掲載する予定だ。


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