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ニュージーランド首相がJTB田川社長に感謝状、日本向け追加予算も

  • 2010年11月15日
 ニュージーランド首相兼観光大臣のジョン・キー氏は11月11日、ジェイティービー(JTB)代表取締役社長の田川博己氏に感謝状を贈呈した。これまでの送客への取り組みや、環境に配慮した観光施設のみを利用するツアーの設定などに対するもの。キー氏は贈呈式で、日本市場について「すでに海外からの訪問者数では4番目に多い規模だが、非常に大きな可能性を感じている」と言及。そのうえで、政府として日本市場向けに120万ニュージーランドドル(約7650万円)の追加予算を投じる計画であることを明かし、「JTBにも活用してもらい、たくさんの日本人旅行者がニュージーランドを訪れるようにしていきたいと思う」と語った。

 田川氏によると、JTBでは現在、ニュージーランドを“大人の楽しみ方”というテーマで、「一味違うニュージーランド」をアピールしているところ。これは、田川氏が2008年にニュージーランドを訪れた後、食文化や生活文化、エコツーリズムなど、自然だけでないニュージーランドを打ち出そうとしてきたもの。2008年には、品質の規格を満たした観光施設を認定する「クォールマーク」の取得施設を利用するツアーも設定している。

 2009年は、「いろいろと仕掛けをした」ものの新型インフルエンザもあって思うように効果が出なかったが、今年は「ニュージーランドの楽しみ方が少し浸透してきた」との感触で、ルックJTBの販売実績も前年比80%増で推移しているという。2010年度下期には日本各地からのチャーター便も計画。ニュージーランド航空(NZ)が全国で14本設定するうち、JTBは11本について単独ないしブロックで販売する予定だ。

 また、田川氏は、「(旅行者数を)量的に伸ばすにはチャーター以外にない」としつつ、「1人の滞在日数を長くするとか、1人あたりの単価あげて、金額的に上げていく流れを作ろうとこの2年くらい取り組んできた」と説明。この流れは今後も踏襲する方針で、「品質的なことをしっかりやっている国だから、基本的に安売りはしたくない。しっかりと売る意味をお客様に伝えながら売っていく」との考えを示した。このほか、教育旅行の可能性にも言及し、「以前のように単なる交流だけでは難しい。ふれあいや体験をどのようにニュージーランドで具現化するかは、政府や政観にかなり力を入れていただかなければいけない」と期待した。


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