楽天トラベル、第3四半期の営業利益は17.6%増−JAL楽パックも好調

  • 2010年11月10日
 楽天トラベルの2010年度12月期第3四半期決算(2010年1月1日〜9月30日)の売上高は、前年比19.9%増の171億6800万円、営業利益は17.6%増の75億5100万円となり、予約流通総額も19.7%増と好調に推移した。楽天代表取締役社長兼会長の三木谷浩史氏は、「旅行者の動向が抜本的に変わった。ホテルなど宿泊の予約はインターネットを使うのが定説になっている。従って、旅行事業は今後もさらに発展する」と述べた。

 三木谷氏はさらに、日本経済新聞による、4月から6月の主要旅行会社各社の旅行取扱高で、楽天がJTBグループ、近畿日本ツーリスト(KNT)、日本旅行についで第4位だったことに触れ、「(楽天が)従来型の旅行会社に比べて存在感を示すようになった」とし、「国内旅行取扱高が21%増と急激な伸びを見せている。近い将来に2位に、最終的には第1位が目標」と意欲を見せた。

 また、四半期ベース(7月1日〜9月30日)でみると、売上高は18.0%増の70億7200万円、営業利益は20.0%増の34億4000万円だった。前年のシルバーウィークの反動はあったものの、夏休みの需要を取り込んだのが奏功し、予約流通総額は15.6%増となった。ITC(宿泊施設の営業担当スタッフ)増員などによる宿泊施設へのサポートの充実、9月1日から販売開始したJAL楽パックなど新商品や新サービスの展開、ソーシャルメディアとの提携が増加の要因だという。三木谷氏は「JAL楽パックやJR東日本との提携などが起爆剤となり、従来型のオフラインの旅行会社よりも質の高いサービスが提供できるのではないか」との考えを示した。

 このほか、楽天トラベル代表取締役社長の岡武公士氏によると、多様な商品を用意したことで、楽天が「レジャー」ととらえる2人以上の利用者が好調だったという。JAL楽パックも好調で、宮古島などの離島や南紀白浜など、日本航空(JL)独自の路線に人気が集まっている。今後はJL単体のキャンペーンの実施も検討する考えだ。なお、以前より販売していた全日空(NH)との「ANA楽パック」への影響については出ていないという。


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