アクセスランキング、1位は日米航空自由化−冬スケジュールが開始へ
[総評] 今週のアクセスランキングの1位は、火曜日に掲載した日米間のオープンスカイに関する記事でした。これは、成田と羽田の首都圏空港を含めて日米間の航空関係を自由化するもので、路線や運賃、提携などについて両国の航空会社が柔軟に対応することが可能になります。また、国土交通大臣の馬淵澄夫氏は、東アジアやASEAN地域の国・地域を念頭に他国・地域とも同様の関係の構築をめざすことを明示されました。現在のところ、一部の国・地域との間で、首都圏空港を除外したオープンスカイが合意されていますが、今後はこの関係深化あるいは新規合意を急ピッチで進めることになります。
ただ、首都圏空港の発着枠には、各国・地域の航空会社がすぐに路線を設定できるほど余裕があるわけではありません。また、成田との関係から、羽田の中長距離路線が深夜早朝枠に限定されている点などは、オープンスカイ政策の今後を左右する重要な課題です。政府は、新成長戦略の中でも成田と羽田の「一体的」活用の方針を堅持していますが、めざすべき将来から逆算して2空港の明確な棲み分けをしなければ、力強い成長には結びつかないでしょう。
発着枠については、今後数年間で2空港ともに再拡大が予定されていますが、他国のハブ空港との競合を考えれば、とにかく最重視すべきは直接的な利用者である旅行者、航空会社の利便性です。政治的な調整や配慮の結果として、中途半端な落しどころに収まってしまうことのないように祈る限りです。
とはいえ、国土交通大臣の馬淵澄夫氏が「歴史的な日」と話されていましたが、オープンスカイの日米間での実現とさらなる拡大方針は旅行業界として歓迎すべきものでしょう。諸々ありますが、まずはこれだけ世間の注目が「空港」や「国際線」に向いていること自体、大きな恩恵といえるはずです。現状では課題も多い羽田路線ですが、その課題を逆手にとってユニークな旅行を提案することも旅行会社、旅行業界の務めであるはずです。
明日から冬スケジュールが始まります。上期は、出国者数などの数値は大きくプラス成長しましたが、いうまでもなくこれはほとんどが昨年の落ち込みからの反動です。昨年の下期にはすでに回復が始まっていましたから、数字上の伸びは小さくなるかもしれません。しかし、見方を変えれば、「回復」から「成長」への取り組みがこれから本番を迎えるともいえます。羽田の国際化やオープンスカイなどの変化と旅行業界の取り組みによってこれまでの回復傾向が加速し、本当の「成長」につながることを心より願っています。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年10月第5週:10月25日2時〜10月29日18時)
第1位
◆日米航空関係が完全自由化、アジア圏にも拡大へ−馬淵大臣、「歴史的な日」(10/10/26)
第2位
◆成田、約10社のLCCが就航に意欲−羽田と協調し首都圏需要に対応(10/10/25)
第3位
◆JALグ、上期は営業黒字1097億円、コスト削減で−再建に向け「体制整った」(10/10/27)
第4位
◆日本旅行、「共同購入」で割安なパッケージツアー−年間集客1000名めざす(10/10/27)
第5位
◆関空、冬スケは週582便、アジア方面が大きく増加−韓国2社が席巻(10/10/28)
◆中部、冬スケ計画便数は週258便、ほぼ前年並み−韓国は9便増に(10/10/26)
第6位
◆DL伊藤営業本部長、羽田線の成功誓う−業界全体での総需要拡大も訴え(10/10/25)
第7位
◆国土交通省、日米間のATIを認可−共同事業開始は来春か(10/10/25)
第8位
◆日本航空とアメリカン航空、ニューヨーク/サンパウロ線でコードシェア(10/10/26)
第9位
◆羽田特集:旅行会社の戦略(2)地方需要の取り込み、課題への模索続く(10/10/26)
第10位
◆香港エクスプレス、関空線を再開、週7便で−香港航空の成田就航に連動(10/10/28)
ただ、首都圏空港の発着枠には、各国・地域の航空会社がすぐに路線を設定できるほど余裕があるわけではありません。また、成田との関係から、羽田の中長距離路線が深夜早朝枠に限定されている点などは、オープンスカイ政策の今後を左右する重要な課題です。政府は、新成長戦略の中でも成田と羽田の「一体的」活用の方針を堅持していますが、めざすべき将来から逆算して2空港の明確な棲み分けをしなければ、力強い成長には結びつかないでしょう。
発着枠については、今後数年間で2空港ともに再拡大が予定されていますが、他国のハブ空港との競合を考えれば、とにかく最重視すべきは直接的な利用者である旅行者、航空会社の利便性です。政治的な調整や配慮の結果として、中途半端な落しどころに収まってしまうことのないように祈る限りです。
とはいえ、国土交通大臣の馬淵澄夫氏が「歴史的な日」と話されていましたが、オープンスカイの日米間での実現とさらなる拡大方針は旅行業界として歓迎すべきものでしょう。諸々ありますが、まずはこれだけ世間の注目が「空港」や「国際線」に向いていること自体、大きな恩恵といえるはずです。現状では課題も多い羽田路線ですが、その課題を逆手にとってユニークな旅行を提案することも旅行会社、旅行業界の務めであるはずです。
明日から冬スケジュールが始まります。上期は、出国者数などの数値は大きくプラス成長しましたが、いうまでもなくこれはほとんどが昨年の落ち込みからの反動です。昨年の下期にはすでに回復が始まっていましたから、数字上の伸びは小さくなるかもしれません。しかし、見方を変えれば、「回復」から「成長」への取り組みがこれから本番を迎えるともいえます。羽田の国際化やオープンスカイなどの変化と旅行業界の取り組みによってこれまでの回復傾向が加速し、本当の「成長」につながることを心より願っています。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年10月第5週:10月25日2時〜10月29日18時)
第1位
◆日米航空関係が完全自由化、アジア圏にも拡大へ−馬淵大臣、「歴史的な日」(10/10/26)
第2位
◆成田、約10社のLCCが就航に意欲−羽田と協調し首都圏需要に対応(10/10/25)
第3位
◆JALグ、上期は営業黒字1097億円、コスト削減で−再建に向け「体制整った」(10/10/27)
第4位
◆日本旅行、「共同購入」で割安なパッケージツアー−年間集客1000名めざす(10/10/27)
第5位
◆関空、冬スケは週582便、アジア方面が大きく増加−韓国2社が席巻(10/10/28)
◆中部、冬スケ計画便数は週258便、ほぼ前年並み−韓国は9便増に(10/10/26)
第6位
◆DL伊藤営業本部長、羽田線の成功誓う−業界全体での総需要拡大も訴え(10/10/25)
第7位
◆国土交通省、日米間のATIを認可−共同事業開始は来春か(10/10/25)
第8位
◆日本航空とアメリカン航空、ニューヨーク/サンパウロ線でコードシェア(10/10/26)
第9位
◆羽田特集:旅行会社の戦略(2)地方需要の取り込み、課題への模索続く(10/10/26)
第10位
◆香港エクスプレス、関空線を再開、週7便で−香港航空の成田就航に連動(10/10/28)