おすすめの世界遺産、1位はアンコールワット−24万件超の大規模調査で

  • 2010年11月1日
 トリップアドバイザーは10月28日、ユネスコと共同で実施中の世界遺産保護活動の一環として、世界遺産に関する大規模な調査の中間報告を発表した。これは、世界遺産を訪れた旅行者が口コミを投稿する際に、その保存状態などを聞くアンケートを実施したもので、これまでに24万4690件の回答が寄せられた。

 調査結果のうち、旅行者が最も推薦する世界遺産の1位には、カンボジアの「アンコールワット」が選ばれ、2位以下にはイタリアの「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」、同じくイタリアの「フィレンツェ歴史地区」、トルコの「イスタンブール歴史地区」などが入り、上位10位はすべて文化遺産となった。

 また、保存状況の良い世界遺産では、1位がアメリカの「シャーロットヴィルのモンティセロとヴァージニア大学」、2位がイギリスの「ブレナム宮殿」、3位がフランスの「ナンシーのスタニスラス広場、カリエール広場及びアリアンス広場」となり、日本の「原爆ドーム」も4位に入った。

 一方、保存状況の悪い世界遺産には、アルジェリアの「アルジェのカスバ」、ブラジルの「サン・ルイス歴史地区」、イタリアの「ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ」などが選ばれた。ただし、保存状況の良し悪しは、一般の旅行者の主観的な感想によるもので、専門的な調査による評価とは異なる。

 なお、トリップアドバイザーとユネスコは2009年10月から2年間、世界遺産の保護に向けた世界規模でのパートナーシップを展開している。これは、トリップアドバイザーにアクセスする1ヶ月あたり4000万人を超える旅行者に対して、世界遺産保護の重要性を訴えるとともに、世界遺産の最新情報の提供を呼びかけ、この結果をユネスコと共有することなどを目的としたもの。


▽トリップアドバイザー 世界遺産調査中間報告
【旅行者が最も推薦する世界遺産】
1位 アンコールワット/カンボジア
2位 ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂/イタリア
3位 フィレンツェ歴史地区/イタリア
4位 イスタンブール歴史地域/トルコ
5位 エディンバラの旧市街と新市街/イギリス
6位 プラハ歴史地区/チェコ共和国
7位 ヴェネチアとその潟/イタリア
8位 アントニ・ガウディの作品群/スペイン
9位 ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター大寺院及び聖マーガレット教会/イギリス
10位 ウィーン歴史地区/オーストリア

【保存状況の良い世界遺産】
1位 シャーロットヴィルのモンティセロとヴァージニア大学/アメリカ
2位 ブレナム宮殿/イギリス
3位 ナンシーのスタニスラス広場、カリエール広場及びアリアンス広場/フランス
4位 原爆ドーム/日本
5位 ザンクト・ガレンの修道院/スイス
6位 ハイファ及び西ガリラヤ地方のバハイ聖地群/イスラエル
7位 ドゥブロヴニク旧市街/クロアチア
8位 テ・ワヒポウナム-南西ニュージーランド/ニュージーランド
9位 マチュ・ピチュの歴史保護区/ペルー
10位 九寨溝の渓谷の景観と歴史地域/中国

【保存状況の悪い世界遺産】
1位 アルジェのカスバ/アルジェリア
2位 サン・ルイス歴史地区/ブラジル
3位 ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ/イタリア
4位 ザンジバル島のストーン・タウン/タンザニア
5位 パラマリボ市街歴史地区/スリナム
6位 ポトシ市街/ボリビア
7位 カラカスの大学都市/ベネズエラ
8位 テトゥアン旧市街(旧名ティタウィン)/モロッコ
9位 マサガン(アル・ジャジーダ)のポルトガル都市/モロッコ
10位 ナポリ歴史地区/イタリア

※世界遺産の保存状況は、一般の旅行者の主観的な感想をもとに集計したもの