成田、約10社のLCCが就航に意欲−羽田と協調し首都圏需要に対応

  • 2010年10月25日
 成田国際空港(NAA)は格安航空会社(LCC)の誘致を働きかけている。NAAによると、9月末にロンドンで開催されたLCC世界国際会議や、航空会社と空港が参加する第16回世界Routes会議などで航空会社38社とコンタクトをとり、成田への就航をアピールした。38社中12社がLCCで、そのうち約10社が成田への乗り入れに意欲を見せたという。

 NAA専務執行役員の平山由次郎氏は、着陸料の割引などのインセンティブやLCC用の施設の整備など課題としながらも、「消費者が空港を選ぶ時代にきている」とし、消費者が航空会社を選ぶ際、予算や目的に応じてLCCも選択できるような空港への展開を、積極的に検討していく考えをみせた。LCCターミナルの新設に関しては、引き続き検討中としながらも、スピード感をもって早い時期に判断していく考えだ。LCCの早期就航が決定した場合は、日本航空(JL)の運休や減便でスペースに余裕がある第2ターミナルの受け入れも検討しているという。


▽羽田の新国際ターミナルとは協調路線、国際ネットワークの強化はかる

 平山氏は、羽田空港の新国際線ターミナル供用開始に関し、羽田と成田が比較して報じられるなか「国内間で争う場合ではない」とし、アジア各国との競争を視野に入れた上、成田の国際ネットワークの強化に注力していく方針を述べた。平山氏は成田で深夜便を運航する場合、離着陸時間帯の制限の問題で周辺地域と調整が必要になる例をあげ「成田と羽田が補完しあい、双方で力を合わせて首都圏の需要に応えていきたい」考えを示した。