羽田国際化、首都圏は63.4%が「利用したい」、地方は25%未満も−JTB調査

  • 2010年10月19日
 ジェイティービー(JTB)がこのほど実施した調査によると、羽田空港の拡張にともなう国際線の就航に対して、首都圏に在住する回答者の63.4%が「便利なので利用したい」と回答した。一方、出国率が7%未満の地域(23道県)で利用意向を示したのは24.8%にとどまり、利用したくない理由では羽田までの遠さなどが挙がったほか、前後泊の有無や羽田までの移動費用なども利用意向を決める条件として選ばれた。JTBではこうした結果に対して、羽田発着の路線や旅行商品の情報が十分に知られていないことも理由の一つと分析。乗り継ぎの利便性などが認知されれば利用者も増えると推測した。

 羽田からの国際線利用意向について、首都圏の回答者が多く選択したのは「羽田空港発であれば便利なので利用したい(63.4%)」「日本の航空会社が利用できるなら安心(19.8%)」「発売されている羽田発の旅行商品が少ないので、まだわからない(15.9%)」など。一方、地域は「羽田空港発であれば便利なので利用したい(24.8%)」「羽田空港は遠いので、利用したいとは思わない(19.4%)」となったのに加え、「日本の航空会社が利用できるなら安心(28.2%)」「羽田空港までの移動が安くなるなら利用したい(24.2%)」「出発前や帰国後に宿泊しなくてもよいなら利用したい(17.6%)」など、条件によっては利用に前向きな意見が多かった。


▽首都圏と地域で海外旅行への関心に開き

 今回の調査は、出国率7%未満の地域における消費と旅行に関する意識を調べたもの。設問のうち、休日や休暇に楽しみにしていることは、首都圏も地域も1位が「家でのんびり過ごす(地域58.4%、首都圏51.4%)」、2位が「国内旅行(地域42.5%、首都圏46.3%)」となったものの、海外旅行は首都圏が15.6%、地域が7.5%と差が開いた。今後3年程度で支出を増やしたいものを聞いた設問でも1位が「貯金(地域61.0%、首都圏57.2%)」、2位が「国内旅行(地域50.9%、首都圏55.3%)」であったのに対し、海外旅行は首都圏が27.6%、地域は13.8%となった。

 こうした傾向についてJTBでは、地元空港から海外への直行便が少なく、乗り継ぎや前後泊、他空港までの陸路の移動などが必要となること、それによって費用も割高になるためと推測した。

 一方、海外旅行で行きたい方面では、「ヨーロッパ(地域45.1%、首都圏51.0%)」「ハワイ(地域30.8%、首都圏32.3%)」「オセアニア(地域30.1%、首都圏32.3%)」となり1位から3位までがそろった。また、同じ旅行費用で行くことが出来る場合に選ぶ旅行先も、「北海道(地域42.8%、首都圏42.8%)」「沖縄(地域31.7%、首都圏36.2%)」「ハワイ(地域28.1%、首都圏34.2%)」となった。

 なお、調査は9月にインターネット上で実施。2009年の出国率が7%未満の都道府県(北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、新潟、富山、石川、鳥取、島根、山口、徳島、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)と首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)に住む20歳から75歳の独身男女を対象とした。サンプル数は出国率が7%未満の都道府県が男性742名、女性768名、首都圏が男性131名、女性126名だ。


▽羽田特集サイト
http://www.travelvision.co.jp/haneda/2010/