JATA、国際協力活動現場を視察する学習プログラムを展開−JICAと連携

  • 2010年10月7日
 日本旅行業協会(JATA)海外旅行業務部はこのほど、国際協力機構(JICA)と連携し、国際協力を通じた教育旅行プログラムを立ち上げた。若者の海外旅行促進の取り組みの一環で、JICAの国際協力事業を体験する機会を提供することで海外への興味関心を高めたい考え。JICAでは、青年海外協力隊の志願者が減少傾向にあり、今回のプログラム実施を通じて活動内容の周知や興味をもってもらうねらいがある。JATA海外旅行業務部部長の田端俊文氏は、「新たな教育旅行の切り口につなげてほしい」と話しており、旅行会社にとっては商品バリエーションの拡大などにつながる可能性がある。これまでJICA在外事務所の好意で視察につながった事例もあったが、JICA本部と連携することでスケジュール管理や内容を含め総合的に取り組めるようになった。

 具体的には、JICAの担当する国内学習とJATAの担当する海外学習に分けて実施する。国内学習では、JICAの国内公報施設「地球ひろば」を訪問、見学するとともに、JICAが派遣した講師によるセミナーを開催。また、国際協力をテーマにした作文コンテストを中学生や高校生を対象に実施する。海外学習としては、JICA在外事務所とODA関連施設など国際協力の活動現場を視察。現時点では、マレーシアやベトナム、ラオス、カンボジアなどを予定している。2011年4月以降、正式にプログラムを受け付けるが、実施希望があれば2010年度内でも対応したいという。対象エリアは1都3県の首都圏にあるゼミやサークルを含めた大学や専門学校、高校などの教育機関で、ニーズにあわせて全国規模に拡大する予定だ。

 JICAでは、人数規模や施設によっても変わるが、首都圏のみであれば初年度10件程度の実施が可能だと見込んでいる。9月下旬には教育旅行を取り扱う会員旅行会社やツアーオペレーターを対象とした説明会を開催しており、参加者からは「どんどん進めてもらいたい」といった意見が挙がっていたという。