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Marriott Bonvoy

サイパン、座席減も訪問者数増に向け活動強化−SIT、ロングステイも

  • 2010年9月27日
 マリアナ政府観光局(MVA)は9月24日、都内でセミナーおよびワークショップを開催し、日本市場の現状や今後の活動方針を説明した。MVA局長のペリー・テノリオ氏は、日本からの直行便が相次いで運休し座席数が減ったため苦戦を強いられる中、今年6月から8月の日本人訪問者数がそれぞれ6月は前年比21%増、7月は16%増、8月は4%増で推移していると説明。6月は東海地区から600名の大型グループが船で渡航したことが大きな要因であるものの、ファミリーやOL層などへの訴求が功を奏したものと思われるといい、MVAではこの先も力を入れていく構えだ。

 また、サイパンマラソンやトライアスロンといったスポーツイベントを積極的に宣伝し、SIT獲得へも意欲を燃やしている。座席の供給数が減った今、大人数を望むのではなく、より長く滞在してもらうことで現地を活性化させる考えもあり、ロングステイや語学教育などにも力を入れるつもりだという。

 そうした新規ターゲット開拓には日本事務所がマーケット別に宣伝活動を行っており、旅行業界担当ディレクターの渋谷奈々子氏が登壇してその活動内容を報告。関東エリアで開催されたトレインジャックなどにも参加しているほか、シニア向けにはホテルやレストランなどでさまざまな特典を受けられるアクティブシニアカードを現地で贈呈。

 また、ファミリー向けには9月末まで11歳未満の子どもに「サイパンだ」のオリジナルバックパックをプレゼントするなどし、好評を得ているという。さらに、スポーツイベントでは来年3月に開催されるサイパンマラソンでタレントの間寛平氏の主催する「アースマラソン地球一周達成記念」として同大会とのコラボレーションが決定済みだ。

 なお、セミナー後の取材に対してテノリオ氏は、2010年の日本人訪問者数の目標値は「座席供給数に大きく左右されるためはっきりした数値は出せない」としつつも、「昨年よりは増加する見込み」とコメント。ファミリーやOL、シニア層などに注力し、訪問者数の積み増しをはかる。また、オフシーズンには、完走率が高く初心者でも気軽に参加できるサイパンマラソン、コーヒー農園近くののどかな風景の中を走る山岳マラソンやトライアスロンといったスポーツイベントを活用し、SITの獲得につなげたい考えを示した。