国際航空運賃規制を見直しへ、上限認可制に移行−柔軟な運賃設定が可能に

  • 2010年9月21日
 国土交通省航空局は国際航空運賃について規制を緩和する方針だ。航空会社が需要動向に応じて機動的に運賃の設定や変更できるよう、国際航空運賃を上限認可制へ移行する。これまで、包括旅行運賃(IT運賃)以外の公示運賃は運賃レベルを変更するごとに認可を受ける必要があったが、規制緩和後は、上限の範囲内であれば需要動向に応じて自由に運賃設定できるようになる。 また、企業へのコーポレートレートなど、大口利用顧客向け個別割引運賃(プライベートフェア)についても同様に、上限の範囲内であれば認可不要とした。

 いずれの場合も消費者保護の観点から実勢レベルを把握する必要はあるとして、運賃登録システムに運賃情報を登録する、もしくはファックスやEメールで事前に運賃情報を届け出ることを条件とした。また、上限認可制では上限額と適用規制をセットで認可することとし、上限額に変更がない場合で適用規則のみ変更する場合も申請は必要としている。これにより、運賃が高ければ適用条件がゆるくなり、安ければ厳しくなる、といったことがなくなりより競争力のある価格設定が可能になる。

 こうした規制緩和の背景には、6月に閣議決定された新成長戦略で、国際航空運賃規制の運用についてはより柔軟な運用をめざす方針が打ち出されたことがある。また、9月に閣議決定された「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」でも、格安航空会社(LCC)参入促進に向けた国際運賃規制の運用緩和が位置づけられている。国交省航空局では10月12日までパブリックコメントを募集し、10月31日以降に申請された運賃から適用する考えだ。