Marriott Bonvoy

マドリード、東京都と観光プロモーションで協定−世界遺産周遊ツアーも提案

  • 2010年9月17日
 マドリード市は9月14日、東京都と相互観光プロモーション協定を締結した。これは、2都市間の観光交流の拡大をはかるためのもので、両都市内の広告スペースを提供しあう。マドリード市を訪問するアジア太平洋地域からの観光客のうち、約半数を日本人が占めており東京都で積極的にプロモーション活動を展開することで需要を喚起するねらいがある。マドリード市役所経済・市民参加評議員のミゲル・アンヘル・ビジャヌエバ・ゴンサーレス氏は、「2009年の日本人観光客数は12万2000人。今年はこれ以上をめざしたい」と述べ、期待を示した。一方で、東京都とマドリード市を結ぶ直行便がないことがデメリットととらえており、航空会社などにはたらきかけている。

 具体的には、マドリード市内のバス停留所の広告スペースや広告柱などに2週間、東京都の広告媒体を掲載し、東京都内では都営地下鉄の主要3駅と地下鉄大江戸線車両にマドリード市の観光や文化を紹介する広告を掲出する。このほか、一般消費者向けキャンペーンやイベントなどでも連携する考えだ。また、ミゲル氏は、「日本からの観光客を増やすこと以上に、リピーターにつなげることを重視している」と話しており、日本市場向けの観光インフラの充実や安全性の向上に向けて取り組んでいることを説明。2005年に始まった日本市場活性化プロジェクト「プラン・ハポン」では、観光客の多い地域での警察官増員や、日本語の観光パンフレット、道路標識の整備、日本語ガイド付きツアーなどを実施している。

 さらに、今回の来日では旅行業界向けにもセールスコールを実施。今後、日本市場向けに語学観光と、マドリードを基点とした世界遺産周遊ツアーを提案していく。特に、世界遺産周遊ツアーでは、マドリードから2時間以内で9ヶ所の世界遺産を訪れることができるのを「他の国にはない魅力」とアピールし、旅行会社の新たな商品造成につなげてもらう考えだ。こうした新商品の提案とともに宣伝キャンペーンや販売担当者へのインセンティブ、FAMツアーなどの実施についても協力していく。