エールフランス、成田でA380運航開始、日本重視を強調−搭乗率85%見込む

  • 2010年9月3日
 エールフランス航空(AF)は9月2日、成田/パリ線でエアバスA380型機の運航を開始した。AFがA380型機で運航する路線としてはニューヨークとヨハネスブルクに続く3路線目で、アジアでは初。まずは週3便(月、木、土)で運航し、10月5日からはデイリー化する。同日の記者会見でAF営業本部上席副社長のブリュノー・マテュー氏は、「日本路線は我々にとって非常に重要」と挨拶。そして、「今後数ヶ月で、AFはA380型機をデイリー運航し、KLMオランダ航空(KL)は成田線を増便する。また、株式の25%を保有するアリタリア−イタリア航空(AZ)も増便予定」とし、日本市場を重視する姿勢を強調した。

 AFのA380型機は3クラス構成で、座席数はファーストクラス9席、ビジネスクラス80席、エコノミークラス449席。現在AFは午前中に成田を出発する便を2便運航しているが、A380型機の投入により1便に集約。これは、2便分の旅客を1機で運べるためで、座席数には変化なく、AFにとっては運航コストを20%削減できるという。夜発の便はこれまで通り運航する予定。

 成田発の初便搭乗率は約80%で、今後数ヶ月は85%を見込む。また、旅客の約6割は日本人になると予測。リニューアルした機内エンターテイメントシステムや、時間にあわせて変化する照明、など新しい設備で需要を取り込めるとの考えだ。

 なお、成田空港で開催した記念式典では、AF/KLMオランダ航空(KL)副社長アジア太平洋地区担当最高責任者のマーニクス・フラウイテマ氏も「AFにとって、日本がアジア市場の中で最も重要性が高い国」と挨拶。駐日フランス大使のフィリップ・フォール氏や成田国際空港(NAA)代表取締役社長の森中小三郎氏らとともにテープカットをおこなった。


▽羽田は検討せず−深夜早朝枠が障壁に

 羽田路線への就航の可能性を聞かれたマテュー氏は、「(発着が深夜早朝に限定される)規制があるため、検討もしていない」と回答。仮に規制が緩和されれば「(成田を含めて)路線の構成を考える」としつつ、「近いうちに緩和されるという話は聞いていない」とし、可能性を否定した。なお、AFは日本航空(JL)が運航する羽田/パリ線をコードシェアする予定だが、AF便として販売するのはビジネスクラス12席、エコノミークラス40席という。