旅行会社特化のカードローン、クレディセゾン子会社が展開−中小規模対象に

  • 2010年9月2日
 クレディセゾングループのセゾンファンデックスはこのほど、旅行会社を対象としたカードローン事業「VIP事業カード」を開始した。中小企業に向け、小口の短期融資を手掛ける貸金事業者が事業を縮小するなかで、特に旅行会社の突発的な小口資金ニーズに対応したい考え。最大300万円までの限度額であることや、全国の提携ATMやキャッシュディスペンサー(CD)機、オンラインキャッシングなどで利用できる利便性をアピールし、初年度は契約数300社程度まで広げさらなるサービスの充実をはかる。

 ゼロコミッション化の影響で事業環境は厳しく、APEX航空券のニーズも高まっており、とりわけ業務渡航を主軸とする中小規模の旅行会社にとって資金繰りも厳しさを増すなか、利便性が高い小口資金調達ツールになると見込んでいる。対象は、旅行業を営む法人、または20歳から65歳までの個人事業主で、担保は不要。融資額は1万円から300万円までで、実質年率は14.9%。

 なお、セゾンファンデックスにとっては、6月18日に貸金業法が改正されたことで一般個人向け融資事業が全体的に縮小することが想定されるなかで、個人事業主向けの融資など事業性資金のニーズに対応する融資事業をてがけるねらいがある。今回の「VIP事業カード」の展開により、事業性融資事業を旅行会社に特化する形で本格的に開始。すでにウェブサイトなどで募集をはじめており、資料請求の問い合わせも寄せられているという。今後は旅行会社の声を拾い上げながら、必要な情報の提供や説明会の実施なども視野に入れ、事業拡大をめざす考えだ。